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たまには文学でも …①

田畑修一郎1
10 /28 2021
少し力石から離れたくて、

それで気分を変えようと、図書館のHPで新着資料の一覧を見た。
それをぼんやり眺めていたとき、
「石ころ路」という楚々とした本が目に付いた。

著者が「田畑修一郎」と知り、
「へぇー、今も新刊本が出てるんだ」と驚き、
急に借りて読もうという気になった。

それがこちら。
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「石ころ路」田畑修一郎 山本善行・撰 灯光舎 2021・7

田畑修一郎といったって、知っている人はそう多くはない。

そのことは、こんなことからもわかる。

新たに刊行してからすでに30年ほど立つ評伝や著作を何冊か借りたが、
その全部のスピン(ブックマーク。紐のしおり)が手付かずで、製本当時のまま。

つまり借りた人は、30年間で私が初めてということですが、
残念だなという思いと、人の手に触れていないという気持ちよさ、
人に読まれたという痕跡を作ってあげたという自己満足で、

私はちょっと、幸せな気分になった。

さて、田畑修一郎です。

出身は島根県
戦前の昭和18年、民話採集で訪れた岩手県盛岡で39歳の若さで急逝。

代表作は、
芥川賞候補になった「鳥羽家の子供」「醫師高間房一氏」などで、
そのほとんどが私小説。

実は私の書棚に、この人の本が3冊あります。
戦前の古い本で、長い間、放置してきたため、すっかりボロボロ。

個人的な事情があって読む気にならず、かといって捨てるのも惜しい。

そんなわけで、なんとなく書棚の一番下に放り込んであった。

その3冊です。
CIMG5685 (3)

この本を手渡されたときのことは、今も鮮明に浮かびます。

手渡してきたのは、これから私が結婚する相手の姉さんで、
唯一の家宝を惜しみつつ手放すかのごとく両手に捧げ、

それから誇らしげにこう言った。

「これはおじちゃまのご本なの」


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雨宮清子(ちから姫)

昔の若者たちが力くらべに使った「力石(ちからいし)」の歴史・民俗調査をしています。この消えゆく文化遺産のことをぜひ、知ってください。

ーーー主な著作と入選歴

「東海道ぶらぶら旅日記ー静岡二十二宿」「お母さんの歩いた山道」
「おかあさんは今、山登りに夢中」
「静岡の力石」
週刊金曜日ルポルタージュ大賞 
新日本文学賞 浦安文学賞