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高知の話・南砺物語⑩

「ばんもち」なる呼称は、四国の高知県にもあります。

北前船の航路とは反対側なのに12ヵ所も。
この呼び名が存在する12府県のうち、高知県は6番目に多い県なんです。

理由はわかりません。

「ばんもち石」の説明がある場所を3ヵ所お見せします。
まずは須崎市の力石です。

ばんもちかたぎは、村の若者の晴れの力の見せどころであった」
 =「須崎市史」

須崎市久通・観音堂
高知県須崎市久通・観音堂

場所がわかりやすいように、地図を出しておきます。

紫の丸がさきほどお見せした力石の所在地・須崎市です。

39 (2) (2)

こちらは南国市(黄色の丸)の力石です。

「子供の頃(大正末期ごろ)、鎮守の社前で青壮年がふんどし一つで、
藁をひとつかみしごいて両手に握り、石を抱いて膝に取り腹に乗せ、

ゆすり上げて肩にしていたもので、
ばんもち石、ばんもちをやると言ったように思います」
 =棚橋正實氏談

南国市上廿枝・八坂神社
高知県南国市上廿枝・八坂神社

「藁や縄を両手で持って」というやり方は、北陸でよく見られることから、
なんらかの手段で伝わったはずなんですけどねぇ。

明治29年(1898)年ごろ、
この高知県から北海道北見方面に入植した団体があります。

坂本龍馬の姉の子で、坂本直寛の「北光社」です。

ですが、同じ入植者の北陸農民との接点はありません。

北海道入植はむしろ徳島県の方が多いのですが、
おもしろいことに、徳島には「ばんもち」という名称はありません。

ここで今も続いている石担ぎをご覧ください。
美良布(びらふ)神社夏祭りでの「力自慢大会」です。

黒潮洗う逞しい土地での石担ぎ、さぞ、豪快でしょうね。

場所は香美市(茶丸のところ)。

うぎゃああああ!

img20210122_20534336 (2)
高知県香美市香北町・美良布神社

うぎゃああああ!

うぎゃあああ

こちらはポスターです。子供相撲もあります。

「高知の香美市の観光BLOG」でどうぞ。

思いっきりデカイ石です。

高知力持ち大会

さて、「ばんもち」説明文、3ヵ所目です。

こちらは「若桜の力石」といいます。
「若桜」(本名・小野熊吉)は、大相撲力士だったそうです。

石にはめ込まれた碑文に、
「海部町高園」という地名と「妻緑さんの寄金で篆刻した」とあります。

「説明文
重い石を担ぎ上げることをバンモチといいます。
ここのバンモチ石は彫られているように、小野熊吉が18歳のとき担いだ石です」
 =原田英祐氏資料

場所は安芸郡東洋町
徳島県との県境の町です(地図の右、赤丸のところ)。

力石は相撲場に置かれています。

東洋町より力石写真
高知県安芸郡東洋町白浜

この町出身の大相撲力士・玉乃浦友喜(1932~2016)は、
27歳で廃業したのち、近畿大学相撲部のコーチに就任。

その関係から春には、この相撲場が近大相撲部の合宿所になったそうです。

東洋町役場・総務課企画調整室の方によると、

「合宿に使われたのは25年ほど前です。
相撲場は現在もありますが、残念ながら今は相撲場として使われておりません」

お隣りの室戸市(青丸)は朝潮太郎(四代)(最高位・大関)の出身地です。
朝潮さんは、近大相撲部出身でしたね。

高知県は相撲が盛んなところのようで、
朝潮出身の室戸市には中央公園相撲場があり、

高知市(白丸)春野町には、
高知県立「春野総合運動公園相撲場」があり、

同じ市内にもう一つ、大原町に「高知市総合運動場相撲場」があります。

改めて思いました。高知県ってすごい!

さて、最後に四国・香川県の意外な力石をご覧ください。
祠にまつられて、宮司さんのありがたい祝詞までいただいております。

img20210122_20520550 (2)
香川県三豊郡豊浜町(現・観音寺市)・豊浜八幡神社

この力石には、幕末から明治初期に名を馳せた「鬼熊」の名と、
その「門人」として、
江戸の「新川七五郎」、大阪の「松本辰五郎」の名が刻まれています。

この二人が四国までやって来た理由について、
高島先生はこう推測しています。

「これと共通した人名の文久元年の力石が、神戸市に2か所残されている。
この豊浜八幡神社は翌文久2年に改築されていることから、
二人は招かれて、奉納力持ちを行ったのではないだろうか」

鬼熊さん、よかったね。
遠い四国でこんなに大切にされて…。


※情報・写真提供/高知県安芸郡東洋町役場・企画調整室
※参考文献/「四国の力石」高島愼助 岩田書院 2005


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プロフィール

雨宮清子(ちから姫)

Author:雨宮清子(ちから姫)
昔の若者たちのスポーツ「石上げ」に使われた「力石(ちからいし)」の歴史・民俗を調査研究しています。力石のことを少しでも知っていただけたら嬉しいです。

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