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「故人」情報保護法

間宮氏娘が宝篋印塔を建てたのは、享保二十年(1735)、
そしてその父・昌仙先生墓の建立が享保十八年(1733)、

その差、2年

で、思ったんです。

たった2年しか隔たっていないのに、
なんで一方は菩提寺に、もう一方は屋敷墓なのかって。

寺への貢献度が大きい家ほど、
寺の敷地内の広くていい場所を墓所として与えられるはず。

しかし、民俗学者の宮本常一はこう言う。

「関東地方では中世より続いた旧家は、屋敷の中に墓を持っていた。
土葬をしてその上に目印として常緑樹を植えた」

こちらは、
大きな松の木に抱かれた戦国大名・今川氏二代「範氏」の墓です。
「駿河記」桑原藤泰画

img20200919_11175309 (2)
静岡県島田市大草・慶寿寺

そうだとすると、
今は貯水槽になった屋敷跡の墓所には、松かタブノキが植えられて、
それが大木になっていたのかもしれません。

その屋敷墓について、ご近所のご老人が、
斎藤氏にこんな話をしてくださったとのこと。

おじいさんは耳が遠くて、正確に聞き取れなかったけれど、
だいたいこんなことをおっしゃったとか。

「あそこには「りょう」?という粗末な小屋があって、
遊女?墓守り?が住んでいた」

遊女にりょうと聞いて、「遊女のおりょうさんが墓守りとは粋だねぇ」
などど、私はまたバカな想像をしちゃったりして。

井原西鶴「好色二代男」が遭遇した墓場の遊女。
img20200919_11313543 (4)img20200919_11313543 (5)

すみません。チト冗談が過ぎました。

ま、それはさておき、
墓守りや墓番の小屋を持つ家なんて、そうめったにない。

知り合いのご老人に話したら、「そりゃあ、凄い家だよ」とたまげていた。

では、間宮家の墓は宝聖寺になかったのかというと、
ご住職はこんなこともおっしゃっていたから、どうもそうでもないらしい。

「間宮家は絶えてしまった家なので墓石は無縁仏エリア
探すのは無理な話だ」

ということは、やっぱりここにも墓所があったってことだよね。

でも斎藤氏のその後の調査で、
間宮家の墓所は「無縁仏エリア」ではなく、きちんとした場所にあった。

これです。
2宝聖寺間宮 (3)

ではご住職がデタラメを言ったのかというと、それも違った。

墓守りの話をしてくださったご老人が、
「田んぼの屋敷墓が発掘されたとき、墓は半分ぐらい寺へ移した」
と言うのだから、この墓所は近年、新しく設置されたもの。

ただし、どれも状態が悪くて判読は難しい。

そこで斎藤氏、恐る恐るご住職に、
過去帳を調べることはできませんか?」と尋ねたら、

即座に、「ダメだ!」

ご住職が「ダメだ!」と言った理由が、
「墓石が語る江戸時代」(関根達人)に書いてありました。

「2005年、個人情報保護法ができて以来、
純粋に研究のためであれ、過去帳の閲覧は難しくなった。

なぜなら、
過去帳には不審死や刑死、差別戒名まで書いてある。
そういう故人の不名誉な過去が知られることで、現在の子孫に影響が出る。

そこで日本仏教会では、「差別の温存・助長につながる」として、
2014年、「身元調査お断り」を決めた。

個人情報保護法」は「故人情報保護法」でもあるのです」と。


※参考文献/「墓石が語る江戸時代ー大名・庶民の墓事情」
      関根達人 吉川弘文館 2018


     ーーーーー◇ーーーーー

高島先生ブログ(9・21)

「埼玉県さいたま市緑区間宮・大白天神社」

さいたま市に「間宮村」があったんですね!

2017年時点で、世帯数359世帯、人口830人という小さな地域ですが、
歴史の古い村のようです。

幸手市外郷内の間宮家と、つながりがあればいいのですが…。


   ーーーちょっと世間話ーーー

みなさまのところにも「国勢調査員」きましたか?

先日夕方、ピンポーン!
で、「非対面でお願いします」といったら、
「それはできない。出て来てもらわなければ困る」と。

市の広報にも「コロナ感染対策のため、非対面でお願い」と書いてある。
でも見知らぬ調査員は、「そんなことはない」の一点張り。
さては詐欺師かとのぞいたら、どうやら正規の調査員らしい。

名前や世帯人数を書かされたけど、「どこの方?」と聞いてもあいまいで。

以前、夜中の12時に電話をかけてきて、
「これから行く」と言った自治会役員のじいさんがいて、非常識だと拒んだら、
「どうせヒマなくせに。あんたのことはみんな知っている。
隠したって無駄だ。役所から住民票をもらっているから。
これは違法でもなんでもない」というので、翌朝、市へ通報。

役人はすっ飛んで来て平謝りだったけど、
なんのことはない。5年後もそのじいさんだった。

夜中に電話してくる調査員は完全な犯罪(未遂)者。
それを知りつつ平然と使い続ける役所も正気じゃないよ。

個人情報がどうたら、詐欺に気を付けてと言いながら、
にわか仕立てのご近所さんを調査員にして、
詐欺師の誘発と情報モレモレのお役所仕事。

一人暮らしの若い女性がどれだけ怯えているか知ろうともしない。

本気の改革を願っているのは、私だけ?


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No title

こんばんは!

トンでも調査員にはビックリですねぇ。こまった爺さんです。

お寺でも個人情報保護ですか。

なるほど故人情報も保護になりますねぇ。(;´∀`)

torikeraさんへ

困ったじいさんの悪癖は、弱い立場の人へだけ威圧的になるというところでしょうか。

どんなに立派な人でも年を取れば能力が落ちて変な地が突出してきます。だから国や企業や団体を動かすような場所でいつまでも現役でいるというのは最悪だと私は思っています。

故人情報保護は理解できますが、一方で閲覧できたからこそ過去の差別や差別を生んだ政治や社会が明るみに出たというのも事実。差別を助長するのは避けなければなりませんが、純粋な研究には欠かせないものだと思います。

いずれにしても、難しい問題ですね。
プロフィール

雨宮清子(ちから姫)

Author:雨宮清子(ちから姫)
昔の若者たちのスポーツ「石上げ」に使われた「力石(ちからいし)」の歴史・民俗を調査研究しています。力石のことを少しでも知っていただけたら嬉しいです。

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