まぼろしのパッケージ
3月のある日、お隣さんからお菓子をいただきました。
吉兆庵のクリームワッフルです。
「この箱、最後にのこった一個だった」という。
見たら、オリンピックの箱。

まだ延期が決まる前のことだったが、なんとなく捨てずにおいた。
56年前にも東京でオリンピックがあった。
あの日、窓から顔を出したら、
空に飛行機が描いた五輪の輪が広がっていた。
誇らしい気持ちでいっぱいになった。
あのころは日本中が沸きに沸いていた。
どこも建築ラッシュ。活気にあふれていた。
これは、オリンピック前年の写真集です。
プレオリンピックのさまざまな催しが掲載されています。

「朝日新聞報道写真集」より
自然災害もあった。
熊本県が豪雨に見舞われ、
孤立した集落でSOSの人文字を作って救援を待つ写真も。
3月には強盗殺人の罪に問われた吉田石松翁の無罪判決があった。
34歳で獄につながれ、50年ぶりに冤罪が晴れたときは、すでに84歳。
この年の12月に亡くなってしまったという。

ついこの間も看護師さんの冤罪事件があったばかりだ。
警察や検察が証拠を隠ぺいして無実の人を犯罪者にしてしまう、
裁判官が有罪を言い渡してしまう。
これほど恐ろしいことはない。
この年、「こんにちは赤ちゃん」が大ヒット。
55年前の指揮者の小沢征爾さん、若い!

東京・上野動物園のお猿の電車に乗る美智子妃と可愛い浩宮さん。
お若い!

音楽に疎い私が、
いかにもわかったふうで聞いたモダンジャズ。
これが流行っていたころ、ホールでも喫茶店でも、
みんな、目を閉じて気持ちよさそうに体を揺すっていた。
恥ずかしくて私にはとうていできなかったし、今でも出来ない。
なにしろ感情を表に出さないようにと育てられたので。
なんちゃって。
テナー・サックスの鬼才、ソニー・ロリンズ。

いただいた2020年東京オリンピックの菓子箱の裏側です。
「東京2020公式ライセンス商品の売り上げの一部は、
東京オリンピック・パラリンピック・ムーブメントの推進に活用されます」
とある。

延期になったけれど、中止の声もチラホラ。
近ごろのオリンピックは、あまりにもお金お金で、
本来スポーツが持つ健康とか、心を揺さぶられるものが感じられないから、
正直なところ、関心は薄れた。
これが経済活性化につながるなんて、もう過去の話だと思うし。
今はコロナでみんな、経済難民寸前。
補償もしないで、「仕事へ行くな」「外出自粛」と言われてもねぇ。
みんながみんな、金持ちや年金受給者や正社員ではないんだし、
アルバイト先がなくなって、学業を断念する学生もいるそうだし。
オリンピックよりなにより今でしょ、手厚い補償をするのは、と思う。
だって、自己責任と政府の仕事は別モノですから。
安心は希望を生むけれど、不安は心を荒(すさ)ませる。
その安心を国民に供するのが政治だと思うから。
他県ナンバーの車にいやがらせをしたり、医療関係者を中傷したり、
そういう弱者が弱者を攻撃し、お互いを傷つけあう世の中は、
おぞましく、寂しすぎる。
日本中が輝いていた56年前のオリンピックが懐かしい。
まぼろしに終わった「TOKYO 2020」
手元にパッケージだけが残りました。
※画像提供/「朝日新聞報道写真集」1963

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吉兆庵のクリームワッフルです。
「この箱、最後にのこった一個だった」という。
見たら、オリンピックの箱。

まだ延期が決まる前のことだったが、なんとなく捨てずにおいた。
56年前にも東京でオリンピックがあった。
あの日、窓から顔を出したら、
空に飛行機が描いた五輪の輪が広がっていた。
誇らしい気持ちでいっぱいになった。
あのころは日本中が沸きに沸いていた。
どこも建築ラッシュ。活気にあふれていた。
これは、オリンピック前年の写真集です。
プレオリンピックのさまざまな催しが掲載されています。


「朝日新聞報道写真集」より
自然災害もあった。
熊本県が豪雨に見舞われ、
孤立した集落でSOSの人文字を作って救援を待つ写真も。
3月には強盗殺人の罪に問われた吉田石松翁の無罪判決があった。
34歳で獄につながれ、50年ぶりに冤罪が晴れたときは、すでに84歳。
この年の12月に亡くなってしまったという。

ついこの間も看護師さんの冤罪事件があったばかりだ。
警察や検察が証拠を隠ぺいして無実の人を犯罪者にしてしまう、
裁判官が有罪を言い渡してしまう。
これほど恐ろしいことはない。
この年、「こんにちは赤ちゃん」が大ヒット。
55年前の指揮者の小沢征爾さん、若い!

東京・上野動物園のお猿の電車に乗る美智子妃と可愛い浩宮さん。
お若い!

音楽に疎い私が、
いかにもわかったふうで聞いたモダンジャズ。
これが流行っていたころ、ホールでも喫茶店でも、
みんな、目を閉じて気持ちよさそうに体を揺すっていた。
恥ずかしくて私にはとうていできなかったし、今でも出来ない。
なにしろ感情を表に出さないようにと育てられたので。
なんちゃって。
テナー・サックスの鬼才、ソニー・ロリンズ。

いただいた2020年東京オリンピックの菓子箱の裏側です。
「東京2020公式ライセンス商品の売り上げの一部は、
東京オリンピック・パラリンピック・ムーブメントの推進に活用されます」
とある。

延期になったけれど、中止の声もチラホラ。
近ごろのオリンピックは、あまりにもお金お金で、
本来スポーツが持つ健康とか、心を揺さぶられるものが感じられないから、
正直なところ、関心は薄れた。
これが経済活性化につながるなんて、もう過去の話だと思うし。
今はコロナでみんな、経済難民寸前。
補償もしないで、「仕事へ行くな」「外出自粛」と言われてもねぇ。
みんながみんな、金持ちや年金受給者や正社員ではないんだし、
アルバイト先がなくなって、学業を断念する学生もいるそうだし。
オリンピックよりなにより今でしょ、手厚い補償をするのは、と思う。
だって、自己責任と政府の仕事は別モノですから。
安心は希望を生むけれど、不安は心を荒(すさ)ませる。
その安心を国民に供するのが政治だと思うから。
他県ナンバーの車にいやがらせをしたり、医療関係者を中傷したり、
そういう弱者が弱者を攻撃し、お互いを傷つけあう世の中は、
おぞましく、寂しすぎる。
日本中が輝いていた56年前のオリンピックが懐かしい。
まぼろしに終わった「TOKYO 2020」
手元にパッケージだけが残りました。
※画像提供/「朝日新聞報道写真集」1963

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