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穴です。「なんだ、穴か」と”あな”どるなかれ

盃状穴①
08 /07 2014
神社の手水石や常夜灯などに、
「穴ぼこ」があるのを見たことはありませんか?

例えば、こんな穴
CIMG1467.jpg

みなさん全く気にも留めませんが、こんな穴にもそれなりの理由があるんです。
これは静岡市の静岡浅間神社の石橋です。
もうボコボコ。

静岡浅間神社です。今川氏、徳川氏の厚い庇護を受けてきました。
「稚児舞」が有名です。
CIMG1471.jpg

静岡浅間神社には「赤鳥居」と「石鳥居」があります。
穴の開いた石橋があるのは、「石鳥居」の側のこの橋です。
CIMG1473.jpg

これ、「盃状穴」(はいじょうけつ)というんです。
盃状(さかずきじょう)に穿った穴。
この命名は昭和55年と新しいんですね。
山口県の古墳から21個もの穴を穿った石棺(蓋)が見つかったそうです。
そこで、
発掘に携わった大学教授によって「盃状穴」と命名されたということです。

でも、石に穴をあける風習は古くから世界中にありました。
日本で大流行したのは、江戸時代です。
当時、なんて言っていたのかわかりませんが、一種の「石穴信仰」なんです。

石穴信仰には、願い事が叶ったら小石に穴を開けてお地蔵さんなどに供える
「おはたし石」があります。
願いが通った、耳の通りが良くなったというわけで、
穴を開けてお礼をしたわけです。

三重県鳥羽市には、
海女さんたちが安全と大漁を祈願する「洗米石」というのがあるそうです。
これがかつて使われていた鳥羽市相差町の「洗米石」です。
img218 (2)

現在の「洗米石」はこちら。
海女さんの魔除けの「セーマン(星形)」に穿たれていて、
穴に洗米、小豆、魚、野菜、酒を供えるそうです。これも盃状穴の一種です。
img218.jpg

「韓国にもありますよ」
と教えてくださったのは、蔚山大学校人文大学の魯成煥教授です。
魯教授は、大阪大学で博士号を授与された方で、
京都の国際日本文化研究センターで、
日韓比較神話・民俗学の研究をされていました。
研究を終えられ帰国する日に、日韓の民俗についてお聞きしたわけです。

「韓国では女の穴といわれています」

そうなんです。
石に穿ったこの穴は、「女の穴」「性穴」と呼ばれる穴だったんです。
変な意味にとらないでくださいね。
みなさんがごく普通にくぐる神社の鳥居も、
富士山の風穴や氷穴もみ~んな「女の穴」なんですから。

つまり「命の誕生」「命の再生」のための場所、神聖な穴なんです。
そこから作物の豊穣を願う思想も生まれました。


この穴が力石にも穿たれているんです。
次回はそのお話です。

※資料・写真転載/「伊勢民俗」第41号 「現代の盃状穴ー鳥羽市相差町の石穴信仰」
             橋本好史 伊勢民俗学会 2012
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コメント

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No title

いつか盃状穴に就いて建穂神社で教えて頂きましたね。それを小黒浅間神社の手水鉢にあるのを見つけてガイド仲間に吹聴しました。すると、仲間は百年前からでも知ってでもいたかの様にお客様に声高に説明していたのを思い出します。その節は本当に有難う御座いました。穴は神聖なんです。富士山には沢山の風穴、洞窟、蝙蝠穴等があります。
エボラ熱が話題になって蝙蝠は敬遠ですが、穴に就いて再認識させて頂きました。

No title

s.h.様
ありがとうございます。

建穂神社、すっかり忘れていました。
大安寺にもありましたね。
盃状穴は力石を始めてから知りました。今、公的機関で広報などに載せはじめる所が出てきました。

雨宮清子(ちから姫)

昔の若者たちが力くらべに使った「力石(ちからいし)」の歴史・民俗調査をしています。この消えゆく文化遺産のことをぜひ、知ってください。

ーーー主な著作と入選歴

「東海道ぶらぶら旅日記ー静岡二十二宿」「お母さんの歩いた山道」
「おかあさんは今、山登りに夢中」
「静岡の力石」
週刊金曜日ルポルタージュ大賞 
新日本文学賞 浦安文学賞