お座敷遊び

ようよう友人宅へ到着。
荷物を置いて上着をハンガーに掛けていたら、もうコーヒーが運ばれてきた。

やることが素早い。

「ひと息ついたら出かけましょ。着物着て…」

友人が指差したテーブルの上には着物や小物が乗っかっている。
「うちへ来たお客さんにはみんな着てもらってるの。
留学生は喜んでくれるけど、中にはどうしても着たくないという人も。
でもやっぱり着物でしょ」

金沢ナカオ山岳会や金沢大学ワンゲル部OBの友人は、
「石川ネパール協会」の理事もされていて、
長年、留学生のお世話をしていると聞いていた。

そんなわけで、
コトはどんどん進んで、私は身ぐるみはがされて為されるがまま。

寒さ対策ばかり気にかけて、美容院へ行くのも止めたので髪は伸び放題。
眉はゲジゲジ眉毛のままだし、口紅は家に置いてきた。
鏡の中をのぞけば、むさくるしい我が姿が…。

でも馬子にも衣装。着付けに慣れた友人のおかげです。
七五三の七つのお祝いに行く女の子の気分になりました。

CIMG4111 (3)

着物の上からモンペをはく。
袴(はかま)のすそを絞ったようなモンペで、
これをはくことで雪や泥で着物を汚さずにすむという。

静岡では見かけたことがない。雪の金沢が生んだ知恵なんでしょうか。

寒風吹きすさぶ夜の町へ、友人とご主人の三人で出かける。
目指すは金沢のお茶屋三カ所のうちの残り一つ、
「西(にし)茶屋街」です。

img086.jpg
金沢市野町  「金沢伝統芸能振興協同組合」パンフよりお借りしました。

これは一般の方々にお座敷遊びを体験してもらおうという企画で、
東、西、主計の3つの料亭組合で、
それぞれ一日ずつ、たった三日間しか行われない催しだそうです。

「雪見のうたげ」と銘打ったこの催しは毎年大人気で、
友人は定員30~60名という激戦の抽選を見事に当てました。
そのおかげで私は、
人生初の「お座敷遊び」を経験させていただくことになったのです。

お姐さんたちのにこやかなお出迎えを受けて、ドキドキ。

「ぽん太さん」はどちらの方だったか?
05 ぽん太さんと

会場は昔、検番と呼ばれていたところで、今は「組合」というのだそうです。
普段は芸妓さんたちの踊りや太鼓の稽古場だという。

そのお座敷で、先に到着していた友人夫妻の地元のお友達Tさんと合流。

早速、芸妓さんと記念撮影。
両手に花。
もうね、ボーッとしちゃって。

09 両手に花 (3)

後ろにいる赤い上着の男性が「アチャーッ」って顔をしています。
そのわけは、さっき客たちに「撮影禁止」を言い渡したばかりだったから。
友人は馬耳東風でサッサと撮影。お姐さんたちもサッと座ってサービス。

このあと、「写真はご自由にお撮り下さい」になりました(^-^)/

友人が着せてくれた着物の柄は粉雪が舞う絵柄。
よほどいいものだったとみえて、お姐さんたちが次々褒めてくださる。

私よりずっと若い友人は赤っぽい着物に白地の帯。
帯にはパンダが遊んでいる絵が描かれていて、
こちらも「あらーっ、素敵」とお姐さんたちの注目を集めました。

まもなく踊りが始まりました。
会場が一気に華やぎました。

17


<つづく>
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

おはようございます

いいいなぁ!
芸者さん大好きですが、お座敷遊びしていません。
精々、花祭りの頃墨低提で接待のお姉さんと、
話したりした程度です。一寸手を・・・
道ですれ違ったりは、京都や赤坂などでありますが。

楽しい話に嬉しくなります。
それにしても、金沢の地元の人は粋ですね。

No title

いいでしょう。
楽しかったですよ。全く知らない世界なので。
金沢では1か月間の期間限定キャンペーンで、
こうした企画を立てているんです。

この期間中は食事も手ごろな料金に設定されています。冬でも観光客を呼びたいという金沢市のもくろみは成功していると思いました。

お座敷遊びは静岡県でも早くからやっていましたが、なかなか行きにくいですから。今度、金沢で弾みがついたので、
これからはちょくちょく、なぁんて思ったりして。男性が憧れるのがものすごく理解できました。

西

何年か前まで西廓には笛と太鼓の名手がいたようです。
NHKの番組でもお二方の演奏が、(廓の雰囲気と共に)紹介されていました。

関東大震災の時、室生犀星は金澤に疎開していたのだが、その間に芥川龍之介を呼んで、兼六園の中にあった三好庵というお茶屋を借りてそこに泊めて、寺町の料亭鍔甚で飯を喰ったのだが、その席に西廓の藝者三人よびました。その中にシャッポという(源氏名の)蚕のように白い肌をした繊身(ほそみ)の妓がいて、芥川はちょっと顔を見たあと、しばしば目をこらして見返しては うむ とうなるようにため息をついていた。
シャッポは、「今いただいたばかりですけど、聴いていいでしょうか」といって白檀の香を焚き、「小説をお書きになる あくたがわりゅうのすけさん でしょう。」と名前を言い当てた。
芥川はすっかり照れて、金澤って、遊ぶのにいいなぁ、と犀星に言った。

こんなことが出来るのは金澤ならでは、と思います。

三芳庵

前に三好庵と書きましたが三芳庵の間違いです。訂正しておきます。今は取り壊されてしまいました。三芳庵という名前の建物は最近お土産物屋近くにあるけれども別物です。

No title

ヨリックさま、

シャッポの話は次回掲載の予定です。実はもう書いてあるのですが…。

私たちが行ったのはその西茶屋街の昔の検番の建物でした。
いろんな芸妓さんと楽しくおしゃべりをしてきましたよ。
それにしても本当に真っ白に塗っているんですね。陶器のお人形みたいでした。
外国人が驚くわけです。

年配のお姐さん方はもっぱら三味線や唄でしたが、
幾つになっても華がありますね。

名前

Yorickという名前は、本当はシェークスピアのハムレットの中に出てくる王室付の小人の道化師の名前で、5幕の始めでは墓掘り人夫がオフィーリアの死骸を埋める為に穴を掘っている時に出てくる頭蓋骨がyorickのものです。

ローレンス・スターンの小説、センチメンタルジャーニーでイギリスからフランスへ旅をする男もyorick, 同じく「紳士トリストラム・シャンディの生涯と意見」の中にも同名の男が登場します。

他には滅多に出てこない名前なので借用しているのでした。ワタクシの本名は柴木勇一でございます。

No title

ヨリックさま

道化師の名とはまたすごい深い意味の命名ですね。
ヨーロッパの音楽に造詣の深いヨリックさんならではと思いました。

私は少し難聴がありますので音楽はダメなんです。微妙な音がつかめません。
でもいろいろそれなりに楽しんでおります。
プロフィール

雨宮清子(ちから姫)

Author:雨宮清子(ちから姫)
昔の若者たちのスポーツ「石上げ」に使われた「力石(ちからいし)」の歴史・民俗を調査研究しています。今、「力石からバーベルへの道」を書いています。

お願い
このブログに掲載されている 写真・記事等には著作権があります。 無断使用はご遠慮ください。
カレンダー
06 | 2018/07 | 08
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最新記事
最新コメント
訪問者数
ブログランキング
ブログランキング
ランキングに参加しています
カテゴリ
月別アーカイブ
最新トラックバック
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR