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加賀毛針の目細さん

「冬の日本海」を堪能して、再び雪の道へ。

いつもの一人旅なら綿密に計画を立て、
何度もシミュレーションして出かけますが、今回はすべておんぶに抱っこ。
まっさらな状態で出かけました。

だから次に何が待っているのか皆目わかりません。

そんな中、案内されたのが「目細八郎兵衛商店」でした。

CIMG4098.jpg
金沢市安江町  「ほんけ めぼそはり 八郎兵衛」

柔和なご老人のお出迎えを受けて、暖かなお部屋へ。

「何が始まるの?」
「作るのよ、毛針のブローチ。まずはお店の商品見ましょ」
「毛針!」

陳列棚に鳥の羽根を使ったアクセサリーが並んでいます。

01

こんなのや、

CIMG4095.jpg

こんなのも。

毛針型のイヤリング(ピアスかな?)。
ただし針の先は丸くなっていますからご安心を。

CIMG4094.jpg

ご老人はこの店のご当主・目細(めぼそ)さんです。

ここは江戸時代以前の天正三年創業という老舗で、
初代が絹針の目穴(目度)を工夫して「目細針」という縫い針を考案したところ、
その優良さを褒められて、加賀藩主から「目細」という名前を賜わったとか。

ご当主さん、「おそらくこの名字は日本で唯一だと思います」とニッコリ。

江戸時代になると足腰の鍛錬のため武士の間で川釣りが盛んになり、
明治になると庶民までが楽しむようになって毛針の需要が増えた。
それまで川釣りは武士の特権だったそうです。

知らなかった。

で、需要増大のため、毛針職人も増加。
中でも金沢の毛針は品質に優れ、「加賀毛針」として名声を博した。

目細家はその「加賀毛針」の元祖というわけです。

武士が釣りに興じる絵です。
クジラの背のように見えるのは犀川に置かれた蛇カゴです。

img084_201802230718289ad.jpg
目細商店のパンフからお借りしました。

自慢の毛針を手にしたご当主さんです。
もう何千回と説明してきたと思います。言葉がよどみなく流れ出ます。

02

いよいよ加賀毛針細工の体験です。
用意された色とりどりの鳥の羽根をピンセットで選び、作業にとりかかります。
このご老女はワタクシメでございます。

ブローチ毛針

できました! 私だけのフェザーアクセサリー。

ホロホロ鳥の羽根にクジャクをあしらって…。
土台は釣り針の形をしています。

CIMG4102.jpg

日本海の幸をお腹に入れて、金沢の伝統工芸を体験して…。
思えば私、今朝の7時までは静岡にいたんですよね。
それから新幹線を乗り継いで、
つい2時間ほど前、ここへやってきたばかり。

なのにもう何日もいる気分だなァ。

と、ダラけかけた私に、友人の優しくも気迫のこもった声が飛ぶ。
「まだまだ。お楽しみはこれからよ!」

そうだったのです。
ここまではまだ、友人が周到にたくらんだ怒涛のサプライズの、
ほんの始まりだったのであります。


<つづく>
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非公開コメント

No title

出来上がった作品、綺麗ですねぇ。

ブローチかな?

No title

弥五郎丸さま、コメントありがとうございます。

ブローチです。
でも羽根でできているので、つけるのは難しいですね。
セーターへ着けてもコートを羽織れば潰れてしまうし。

初夏になったら、広いつばのパナマ帽にでもつけようかなと思っています。

目細針

目細針へ行ったのでしたか。
好い体験です。こんな事は金澤でないと出来ませんねぇ。このお店の近く、西福寺というお寺に死んだワタクシが入る予定になっております。
金澤では外に友禅染をやってみる、というのもあるでしょうね。
次の食べ物のお味に興味がそそられます。

No title

細目針と毛ばりは、先日テレビで見たばかりでした。
重い物から軽いものまで、何でもこなされますね~

No title

金沢ではいろんな体験ができるようになっているんですね。
以前友人にいただいた友禅染めのテーブルセンターは今も大切に持っています。水引も素晴らしかったです。駅の展示コーナーで見ました。

西福寺は目細商店の近くにあったのですか。
乗善寺というお寺は見ました。
長期間住んで、金沢の町を歩き尽くしたい気分です。

No title

ちょびさま、コメントありがとうございます。

テレビでやっていましたか。
鳥の羽根はふわふわするし、接着剤が変なところについてしまうし、
なかなか大変でした。

アクセサリーもよかったけど、毛針の美しさ繊細さには魅了されました。
あんな芸術品に食らいつくなんて、
魚もたいした審美眼の持ち主だと思いました。

重いものから軽いものまで…。
うーん、そういえば確かに(笑)

乘善寺

このお寺の離れにはワタクシの笛吹友達哲子サンが一時下宿をしていたと思います。
目細商店の近くには京都東本願寺の別院があって、その近くに西福寺があります。この本願寺の別院が火事で焼けた時、ワタクシの友人横山サンが西福寺の屋根に上がって別院の焼けている様子を連絡してくれました。
金澤という町はとても面白い町で、上下左右東西南北、つながりがいっぱいあります。
目細商店の近くのうどん屋がオイシイ、とか、さまざまな情報が伝わっております。
ある程度お金があれば金澤という町は住むにはとても面白い町です。
お友達にもいろいろ聞いてご覧なさい。

おはようございます

「ある程度お金がないので」(笑)、時々旅行者が一番かも。

今回は三文豪の記念館には立ち寄りませんでした。
室生犀星が好きで中学生の時買った「室生犀星集」、まだ持っています。

No title

雨宮さん、おはようございます。

え!、川釣りは武士の特権だったんですか?
知らなかった、
妙な処に階級性があるものですね。
タナゴ釣りとかも実際は武士しか
してなかったんですね。

No title

三島の苔丸さま、おはようございます。

川釣りは武士の特権って、私も知らなかったです。
でも、江戸から続く江戸和竿師の「竿忠の寝言」を読むと、明治初年ごろも和竿のお得意さんは元武士で明治の高官になった人ばかりでした。

竿師はそうした人の屋敷に泊まり込んで竿を作っています。金持ちでないと作れなかったみたいです。貧乏公家が竿忠を騙した話もありました。そのころは外国人にも好まれてずいぶん輸出したみたいです。

目細商店にも和竿がありました。30㎝ほどの細い竹の中から次々と竿が出てきます。その繊細さは見事でした。

こんにちは

目が細くなりました(嘘
目から鱗の話で、大層勉強になりました。

ますます、楽しい話が続くようですね、
一度も行っていませんから、嬉しい記事です。
読むたびに、一度は行きたい町になりました。


No title

目細さんの目は丸かったです(笑)

むしろ私の目の方が年齢と共に奥目になって「目細」さん状態です。
目から鱗は私も同じです。
今度の金沢の旅ではいろいろと認識を新たにしました。
プロフィール

雨宮清子(ちから姫)

Author:雨宮清子(ちから姫)
昔の若者たちのスポーツ「石上げ」に使われた「力石(ちからいし)」の歴史・民俗を調査研究しています。今、「力石からバーベルへの道」を書いています。

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