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「万治石」に動きが…

千葉県野田市今上下の八幡神社の「万治石」に動きがありました。

以下は埼玉の研究者、斎藤氏からの報告です。

江戸川堤上から見た八幡神社です。
この堤から富士山が見えたそうです。

1野田市
千葉県野田市今上下・八幡神社

土留めとして埋まっていたときの「万治石」です(一番手前)。
1万治年

それが、
下の写真のように掘り起こされていました。(2018年1月12日現在)
初めて全体像を見せました。きれいな楕円形です。

今回、これまで公表してきた寸法よりずっと大きかったことが判明。
埋もれていたときの寸法は、45×32×10余㎝でしたが、
新たに測り直した寸法は、62×43×28余㎝です。

2野田市

今までは写真右側の石碑の後方に埋まっていましたが、
現在は石鳥居をくぐったあたりに移動されています。

昨年12月に、野田市役所の方が宮司さんに話してくださったおかげでしょうか。
氏子さんたちが掘り出してくださったのかもしれません。
ありがとうございました。

3野田市

充分、石に日差しがあたるのを待って、斎藤氏は刻字を改めて読み直します。

そして新たな文字を発見!
赤丸の中にカタカナで小さめの「ョ」文字がみえます。
「ョ」は「余」で、「56貫目余り」ということです。なかなか細かい。

このことから以下のような刻字になりました。

「奉納力石五十六メ目ョ 万治四年 吉三月日」

ただし、ここで問題が一つ浮上。
石の全貌がわかって改めて文字を見たら、「五十六メ目」の「目」が、
目二つか、月篇に目みたいに見えたのです。(赤丸の上)

斎藤氏、2日間も通い、辞書も調べたそうですが、
そういう文字はあっても意味不明。
傷のようでもあり人為的なもののようでもあって、今一つわからないとのこと。
あとは地元の方に判読をお願いするしかありませんが、
ブログに来て下さるみなさまにもご意見を伺えればと思っております。

野田市5

斎藤氏は、「吉三月日」を「吉」文字と断定した根拠を、
「異体字解読辞典」(柏書房)、「くずし字解読辞典」(東京堂出版)、
「漢字くずし字辞典」(同)を参照して判読したとのこと。

8野田市 10野田市

で、今まで「千葉県最古」とされてきた野田市野田の愛宕神社は、
というと、
説明板が引き抜かれて立てかけてありました。(下の写真)。

以前にも書きましたが、
故・伊東明・上智大学教授の調査時には、確かに千葉県最古でしたから、
氏子さんたちの間違いではありません。

問題はその後の調査にあります。
「万治石」を「明治石」と誤読したこと。そして一番の問題点は、
その後、誤読が判明した時点で速やかに伝えなかったことです。

だから、氏子会のみなさまが恥じることは何もないのです。

むしろ、石の数の多さや形の良さは誇るべきものです。
そしてなによりも、「飯田氏」と刻まれた「宝暦石」は、
野田の醤油醸造家との関連性を推測させる貴重な石だということです。

6野田市
野田市野田・愛宕神社

愛宕神社のこの「宝暦石」は、
誤読のほか、年々古い石の発見が相次いだため、
「千葉県最古」から「千葉県で14番目に古い石」に陥落。

ですが、むしろプラス思考で、
こうした一連の動きは愛宕神社と八幡神社の力石の
新しい「ものがたり」の誕生になったと思っていただきたいのです。

力石が遠い過去の遺物となってしまった現在、
ただ石を並べておくだけでは、市民のみなさんに理解されません。

そういう経緯を記した新たな説明板を設置することで、
「へーっ、そうだったのか」「ここにはそんな歴史があったのか」と、
郷土を見直すきっかけにしていただけたら、と私は思っております。

で、「千葉県最古」の力石になった「万治石」、
この石に刻まれた「万治四年」は、
野田の醤油醸造が始まったころです。
これらを踏まえ、
氏子さんたちにはぜひ、民俗文化財指定の申請を、と願っております。


<つづく>
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No title

野田醤油の始まりと万治石の年号の一致は必然性があるんでしょうね

No title

万治石と醤油醸造との関連性は、今のところ確証は全くないんです。

万治から改元した寛文元年に高梨家(キッコーマン)が創業。その40年前に飯田市郎兵衛が長野の川中島で合戦中の武田信玄に「たまり醤油」を届けた。
どちらも重石を使いますし、そういう石を扱った男たちが大勢いて、野田市やその周辺には古い力石がたくさん残されています。
ですが、関連を調べるのは難しいです。

関連があるのでは、と思うものは「千葉県最古」から「14番目」に陥落した愛宕神社の「宝暦石」です。この石には「飯田氏」と尊称をつけた名が刻まれています。これが醤油醸造の飯田家だと推測されています。
ですから最古ではなくなっても貴重な石になるわけですが。
プロフィール

雨宮清子(ちから姫)

Author:雨宮清子(ちから姫)
昔の若者たちのスポーツ「石上げ」に使われた「力石(ちからいし)」の歴史・民俗を調査研究しています。今、「力石からバーベルへの道」を書いています。

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