帰りゃんせ

「神田川徳蔵物語」から、ずいぶん寄り道してしまいました。

徳蔵さんの千社札コレクションの中から、
民俗学の祖・山中共古の札を見つけたのがそもそもの発端。
そこから話は民俗学の大家で「官のアカデミー」の柳田国男に及んだ。

その柳田が出版業者に発した「本屋ふぜいが!」の上から目線にカッチーン!
同様に私の祖先はこの人から「巫女ふぜいが!」と見当違いの記述をされ、
さらに地元郷土史家からは、未公開の私文書を楯に、
「ここの神主が横領云々」などと書かれて、
曽我兄弟ならぬ私の「仇討ち」という思わぬ展開になってしまいました。

その結果、

♪ 徳さん だんだん遠くなる 遠くなる
   今来たこの道 帰りゃんせ 帰りゃんせ


というわけで、
「徳蔵物語」のスタート地点、東京・神田川界隈へ帰って再出発です。

以前にも出しましたが、やっぱりこの写真から行きましょうか。
私の一番好きな写真です。

神田川米穀市場所属の荷揚業「飯定組」2代目・徳蔵の片手差しです。

優勝カップと俵上げ (2)

後ろにいるのは、
徳蔵の義父・飯田定次郎が従業員の中で一番信頼していた羽部重吉です。
徳蔵さん、最期はこの人に看取られたそうです。
それほどにこの二人は、深い絆で結ばれていたということですね。

下のスケッチは葛飾北斎の「北斎漫画・江戸百態」の一コマです。
左が片手差し、右が両手差し。

img156.jpg img289.jpg

こちらは神田川一派の力持ち興行です。
洗濯物がヒラヒラしていて、のんびりした風情ですから小興行か練習かも。

埼玉の研究者・斎藤氏によると、
「見物人は子供たちなので、夏休み中かもしれない。
遠方(赤矢印)に見えるドームは旧両国国技館
ということは、橋は隅田川にかかる総武線鉄橋です」

室内 (2)

拡大すると、
こんな感じ。米俵の片手差しをやっています。
みなさん笑顔を見せていて、なごやかです。
左端の白シャツの人、重吉さんに似ています。

赤矢印はバーベルです。
右端に腰かけている人が、それをチラッと見ています。

2新たな写真

バーベルを見ているのは、徳蔵さんなんですよ。
同じ会場を別の角度から写したのがもう一枚あります。
それを拡大したのがこちら。

徳蔵さんの後ろの人は、竪川大兼さんみたいだけど、どうなんでしょう。
楽しそうに笑っています。

1新たな写真

斎藤氏によると、
「旧両国国技館は大正9年(1920)に再建され、3年後の大正12年に
関東大震災で破損。翌年、再々建された。
この写真を見ると、向こう岸も興行場所も震災を受けたようには見えないので、
これは大正9年から12年の間に撮影されたものと思います」

ところがこのバーベルというものは、
明治から大正に外国人たちが使っていたという証言はあるものの、
民間では記録がなく、公的に初めて登場したのは、
日本政府がオーストリアから購入した昭和8年なんだそうです。

ということは神田川徳蔵は、
それより10数年も早くバーベルを所持していたことになります。

これって凄くないですか?

外国から入手したのか、自作品なのかはわかりませんが、
「力石からバーベルへ」
つまり、「伝統的スポーツから近代スポーツへ」なんて発想、
他の力持ちたちにも当時の日本人にもなかった。

それを徳蔵さんは難なくクリアした。その先見性が凄いんです。
まさに徳蔵さんは日本の重量挙げの道を開いた人
このことを多くの人に知っていただきたい。

神田川一派とバーベルについては後日、詳述します。

さて、重吉さんです。
無二の親友の徳蔵さんと行動を共にしているはずですが、
不思議なことに、その姿、今のところ興行写真から特定できておりません。

次回はその重吉さんの石のお話です。


※参考文献/「現代体育・スポーツ大系 第21巻」
         浅見俊雄・宮下充正・渡辺徹編 講談社 昭和59年
        /「日本ウエイトリフティング協会60年史」協会HP
※徳蔵関係の写真は徳蔵氏ご子孫と縁者Eさん提供。
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こんばんは

やっと元に戻りましたね。
でも、雨宮家の歴史も興味津津で楽しみました。
今でも書物になったものを真実として鵜呑みの傾向があります。
最初に書いたものが本当と勘違いは多いです。

それにしても、大正時代にバーベルとは、
驚きとともに、徳蔵さんたちの実績は素晴らしいです。
日本の重量挙げの歴史に書かれているのでしょうか?

次からも、楽しみにしています。


No title

one0522さま、コメントありがとうございます。

徳蔵さんたちのことは重量挙げの歴史に取り上げられています。
私は来たるオリンピックの折りにはぜひ、このことを東京都で広めていただけたらなあと「本気で」思っています。
ご子孫お持ちの貴重なバーベルの写真展など開催したら面白いと思います。

早く神田川一派とバーベルのこと、書きたいのですが、
もう少し力石の話を続けます。

バナナのお話ですが

こんにちわ おひめさま

1.バナナを食べる時期
わたしはおもに色をみています。
そして皮に黒い斑点が出てきたときがきっと甘い時だと考えていますがどうでしょうか?
それから
午前中にバナナを食べると、より多くの利点があるようです。 もしダイエットしたい場合は食事の30分前、とくに夕食を食べる前にバナナを食べてください。
2.バナナ天ぷら、私はタイ人が "クルアイカーグ"と呼んでいるものだとおもいます。 フライパンで油で揚げるのですが、その前パウダーをつけています。
もうひとつはフライパンで揚げられた "Kluay Chab"(クルアイチャーブ)ですが、パウダーをつけることはありません。 オイルでいためたあと、
砂糖をミックスし、鍋でご飯をまぜます。素敵な匂いがただよってきます。

写真を送りたかったのですが
ここではむつかしいようですね ザンネンです
またね~

こんばんは

PERNさま、魔女さま、
さっそくお教えくださってありがとうございました。

私、思わず叫んじゃいました。
「ワーイ、魔女の宅急便だァー!」

やっぱり斑点がでたころなんですね。
それから「バナナの天ぷら」、あったんですね。
家では上手に揚げられませんが、あれ、おいしいです。

「クルアイチャーブ」
なんか超太りそう。でもお菓子感覚で食べれそう。バナナってそのままでもいけるし、便利だし、おいしいし、すごい食べ物だと改めて思いました。

この際、私も言っちゃおうっと。
「またね~」
プロフィール

雨宮清子(ちから姫)

Author:雨宮清子(ちから姫)
力石(ちからいし)のことを知ってほしくて、ブログを開設しました。主に静岡県内の力石と力石を詠んだ句や歌、力石探しのつれづれを発信していきます。

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