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悲しい目

世間ばなし①
01 /13 2017
猫と暮らす生活から遠ざかること10数年。
神通力が消えちゃったみたいで寂しい。

はるか昔、家に老いたカラス猫がいて、
赤ん坊の私にいつも寄り添って子守をしていたと母が言っていました。
以来、暮らしの中にいつも猫がいましたが、今は飼えない住環境。

このノラさんは、戸建てにいたころの訪問猫。
img549.jpg

ノラくんたちは決して声をたてません。
新興住宅地に生きる知恵でしょうか。
ガラス戸に影が映ります。開けるとこんなふうにジッと見つめてきます。

このノラさんはちょっとふてぶてしかった。
顔にはいつもケンカの傷。
けれど、決して家には入り込まなかった。ノラの領分をわきまえていました。
家の飼い猫に手をだすこともなかったですね。

img539.jpg

新興住宅地の新年度の自治会長は大の猫嫌い。
ある日、保健所から借り出した捕獲器を5個、住宅地に設置したそうです。
置いた場所は秘密。中にアジの干物をぶら下げたとか。

数日後に回ってきた回覧板には、こう書かれていました。
「捕獲器にかかった猫をこっそり逃がした住人がいる。
猫の被害に遭っている人の迷惑を考えろ」

自治会長は、
道に「愛ある社会を」と看板を立てて集会へ誘っていたクリスチャン。
「猫の餌やり摘発チーム」も出来て、夜間、懐中電灯で照らして歩いていた。
そういえば家の庭に懐中電灯の光が交錯するのを一度見たことがあった。

回覧板にはこんなことも書かれていた。

「首輪のない猫はすべてノラ猫とみなして殺処分します」

下の写真の猫は夜も更けたころ、私の家にやってきました。
やっぱり無言です。気配を感じて窓を開けたら痩せこけた顔が…。
エアコンの室外機に乗っかっています。
灯りを目当てにやってきたのでしょう。

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しばらくすると、もう一匹が…。
兄弟でしょうか。二匹一緒に捨てられたのでしょう。
中は暖かそうだねえとでもいうようにのぞきます。

でもこの晩限り、姿を見せなくなりました。

img554.jpg

で、新興住宅地の猫捕獲器はその後、どうなったかというと、
愛護団体から訴えられて、
「虐待」と判断されたとかで保健所?が撤去したと聞きました。

それにしても、
「アジの干物でおびき寄せる」「容赦なく殺処分する」という考えは、
やっぱり残酷。

ぽかぽか陽気だった今年のお正月、
団地の陽だまりで、すぐそばの住人が世話をしている地域猫が2匹、
肩寄せあって眠っていたのを見て、ふと、かつての猫騒動を思い出しました。
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コメント

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No title

フジコ・ヘミングゥエイの言葉、、、

自分の命は自分のためにあると思ったら大間違い。
自分より困っている誰かを助けたり、野良一匹でも救うために、
人は命を授かっているのよ。


彼女の数奇な運命と生き様
世界のどこに行っても、人間社会からいつもはじかれて生きてきた天才ピアニスト、、、。

No title

kappa様
コメントありがとうございます。

フジ子・ヘミングさん。
たくさんの猫と暮らしていますよね。

私は音楽には無知で、演奏会ではわかったような顔して聞いているだけというダメな人間です。でも素人ながら、日本社会のプロの方々のこの方への風当たりはちょっと異常だと思っています。

風変わりだとかミスをするとかスローテンポだとかいうけど、要は聞いてて感動できればいいんじゃないのかなあ。音楽でも絵でも理屈じゃないんだから。

で、猫捕獲器を仕掛けた自治会長のことですが、その人の子供とうちの子が同級生で…。ある日、奥さんから抗議の電話があったんです。
「お宅はどういう教育をしているんですか! ソファでピョンピョンしてもいいと教えているんですか!」

びっくりしました。
だってその奥さんの息子、うちへ来て大はしゃぎして幅1・2㍍もの日本画へジュースをひっかけ、押し入れに入って襖をけ破ったばかりだったから。

でも私はケンカができなくて「すみません」と言うだけで。逆に抗議して発散すればいいのに我慢するからいつまでも尾を引くんです。

その子が「動物は人間の役に立つために神さまが創ったんだからどうしようと構わない」と言ったあと「でも僕は両親の言うこと、ちょっと変だと思うときがある」なんてポツリと言ったんです。

そういうのを聞いて、この子を叱れませんでした。



雨宮清子(ちから姫)

昔の若者たちが力くらべに使った「力石(ちからいし)」の歴史・民俗調査をしています。この消えゆく文化遺産のことをぜひ、知ってください。

ーーー主な著作と入選歴

「東海道ぶらぶら旅日記ー静岡二十二宿」「お母さんの歩いた山道」
「おかあさんは今、山登りに夢中」
「静岡の力石」
週刊金曜日ルポルタージュ大賞 
新日本文学賞 浦安文学賞