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おお、えッ やまア~

ケトルベルインストラクターの大江誉志さんの石担ぎは、
地元・岐阜県にとどまらず、三重県、愛知県など各地に展開していきます。

こちらは三重県桑名市の多度大社での石担ぎ。
「これは凄い!」と神官さんが出て来て、カメラを向けました。

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  お伊勢参らばお多度もかけよ
           お多度かけねば片参り


と唄われた由緒ある神社です。

ここで有名なのが「上げ馬神事」
境内の急坂を若者が乗った馬が駆け上がり、その年の豊凶を占う神事です。

「藤原氏の正体」(関裕二 新潮社 平成20年)に、こんなことが出ていました。
「八世紀後半、多度神宮寺で、三宝(仏教)に帰依したいとの託宣が下りた」

つまり、多度の神は本来の姿からかけ離れてしまったので、
仏教を取り入れたいと願ったというのです。
著者は、ここから神仏習合が始まったと書いていました。

今年8月
大江さんは友人の伊藤允一さんと石川県小松市に出掛けました。
菟橋(うはし)神社(おすわさん)の「磐持ち神事」に参加するためです。

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石川県小松市浜田町・菟橋神社の磐持ち会場。

この神事は菟橋神社・秋の例大祭「西瓜祭り」の中で行われます。
「西瓜」は本来「水火(すいか)のことで、つまり生命の根幹に関わる
水と火の恵みに感謝する祭りなんだそうです。

高島先生によると、この菟橋神社には力石が3個あり、
一つは「義経脇持石」一石四斗石。ただし台上に固定。
二つ目は一石二斗石
そして三つ目がこの磐持ち神事で使われる八斗石ということです。

土俵が柔らかいので苦戦。
2度失敗するも3度目で見事成功。動画を見ると周囲の歓声がものすごい。
うおーっ! やった! あがったあ!

それもそのはず。長年「上がらずの石」といわれて持ち上げた人がいない。
それを上げたのですから、地元の人は興奮せずにはいられません。

優勝した大江さんの頭に後光までさしています。
さしずめ、ダイヤモンド大江山
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こちらはダイヤモンド富士。似ています。
富士ダイヤモンド

これは今年の元旦、家のベランダから撮ったダイヤモンド地元の山
CIMG2019 (2)

土俵が柔らかくて苦戦した大江さん。
でも昔の伊豆の漁村の若者たちは、
揺れる船の舳先で力石を担いだそうです。
これが至難の技で、でも担げなければ若衆組に入れてもらえず賃金も半人前。
だから海に落ちては何度も這い上がったそうです。

この約1か月後、大江さん、今度は同じ小松市の白山神社に現れます。
「秋祭り盤持ち大会」です。

子供たちも興味津々。
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石川県小松市向本折町・白山神社

ここでは浮石(75㎏)、冬瓜石(130㎏)、赤石(120㎏)の
3個すべてを見事に担ぎました。

意外にも130㎏の冬瓜石より10㎏軽い赤石に苦戦。
「Tシャツのズレによるロスを考慮して」上半身裸で挑戦し、成功。

北國新聞に掲載されました。
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冬瓜石を担ぐ大江さん。

大江さんが担ぎあげた瞬間、右端で白旗を上げているおじさんが、
声高らかに、
「おお、えッ、やまア~」

ここの石も長年、誰も上げたことがなかった石だそうです。
大江さんは石川県の「上がらずの石」を、
3つまでも上げてしまったのですから、文句なしの日本一です。

拍手と歓声が湧き起り、大江さんはとびきりの笑顔で応えていました。

地元のとれたての新米をゲット。
新米

石担ぎは何分もかからない競技ですが、そういう瞬時だからこそ、
見る人も真剣
勝負をかける挑戦者と一体となってこの場に臨みます。

土俵を囲む人々は息を詰めて挑戦者に目を凝らし、
挑戦者が石を膝にあげ、腹に据え、胸にしゃくり上げるたびに、
「よし!」「そうだ!」「そこだ!」と、
まるで歌舞伎役者にかける大向こうの如く、腹の底から気合を投げかける。

動画を見ていたら、タイミングよく発するひときわ力強い声が…。
あれ? もしかしてその声は、

浪速の長州力さん?


<つづく>


力石の呼び名について 北陸地方では、
    磐持石、盤持石、番持石、晩持石、盤扶持石などと呼んでいます。

※参考文献・画像提供/大江誉志「東海力石の会」
               「ケトルベルトレーニングブログ」
※参考文献/「力石ちからいし」高島愼助 岩田書院 2011
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雨宮清子(ちから姫)

Author:雨宮清子(ちから姫)
昔の若者たちのスポーツ「石上げ」に使われた「力石(ちからいし)」の歴史・民俗を調査研究しています。力石のことを少しでも知っていただけたら嬉しいです。

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