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ナンマイダー

民俗行事
09 /02 2015
日本一の力持ち、三ノ宮卯之助をご紹介している途中で、
「戦争」に突入。
どっぷり漬かりすぎて、卯之助に戻れない。どうしよう…。

というわけで、
ここでちょっとティータイム。
民俗行事で気持ちを整えます。

「戦争展」の合間に、戸数70戸余の有東木集落へ盆踊りに行ってきました。

標高700㍍の有東木集落です。
CIMG2338.jpg

静岡市の中心部から車で一時間。山の向うは山梨県です。
日本のわさび発祥の地でもあります。
その味に魅了された家康から、「門外不出」と言い渡されたとか。

ここに見える家がこの集落の全部の家です。
クネクネした山道を登るので、
友人の多くは「おっかなくて運転できない」としり込みします。

でもここで、
国指定重要無形民俗文化財盆踊りが育まれてきたのです。
それだけではありません。
ここには神楽も残っています。こちらは静岡市指定の文化財です。

神楽が演じられる白髭神社10本杉です。
CIMG2342.jpg
狭い境内に杉の巨木が10本もあります。

ここ有東木には、盆踊りの翌々日、またおじゃましました。
「百万遍」です。
場所は盆踊りをやったお寺の本堂。
集落の人たちの輪に入れていただきました。
子供からお年寄りまで、みんなで声を揃えて、

ダーブツダーブツ、ナンマイダー

友人たちを誘っても誰も来たがりません。
なぜかなあ。私はこんなのがなんだか好きなんですけどねえ。

帰ってくると「どうだった?」と聞くので、
「ダーブツダーブツ、ナンマイダーってやってきたよォー」というと、
みんな笑います。なんでですかねえ。

CIMG2347.jpg
=東雲寺

大声で念仏を唱えながら、数珠を上下に動かして隣りへまわします。
時々黒光りしたひときわ大きな数珠玉がやってきます。
その都度、隣りのおばあちゃんが、
「ほれ、来たよーっ! いいことあるよーっ!」
と送ってくれます。
私はそれを有難く受け取ると両手でささげて「ナンマイダー」

どの顔もニコニコ。とっても楽しそう。
心を一つにするって大事なんだ。


有東木のみなさんには、本当にいろんなことを教わりました。、

ホントにホントに、  

すてきな夏をありがとう!
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コメント

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巨木の前で

巨木に抱かれたサヤさま。有東木はいいところのようですね。
あのピカピカに磨かれた大数珠玉は1個だけでしょうか?
何回も回ってくるのでしょうか?
そして知りたい事の一つ、その行事が終わってからみんなで食事などするのでしょうか?

No title

ヨリック様
お答えします。

大数珠玉は一個だけではなく、3、4メートルおきについていたと思います。向こう側に見えてくると、隣のおばあちゃんと(といっても私も充分おばあちゃんですが)、「来るぞ来るぞ」と笑い合っていました。

私がこうした行事に参加するのは、盆踊りに出るグループの一員としてなのです。これは地元から相談を受けた静岡市文化財課が、衰退する伝統芸能を外の人たちの力で盛り上げ存続させようという主旨で始めたものです。今年で6年目。この目論見があたって、ずいぶんにぎやかになりました。
なので、この様子を見て他の集落から「うちにも来てほしい」という要望が市に寄せられているそうです。

この百万遍のあとは、地元の方からの要請で、今後どういうふうにしていくべきかという堅い話し合いがもたれました。
この集落は非常に先進的で、普通なら外部の者なんかいれるなとなりますが、どんどん取り入れていきます。暮らしが豊かで社交的なんです。排他的なところは全くありません。外国の方も参加しています。アメリカ人も中国人も浴衣姿できれいに踊っておりました。

この百万遍のあと、地元の方々はどうしたのかわかりません。
なんでも「まあ一杯」の集落ですが、盆行事は四日も続きましたから、もう飲み疲れたのではないでしょうか。

雨宮清子(ちから姫)

昔の若者たちが力くらべに使った「力石(ちからいし)」の歴史・民俗調査をしています。この消えゆく文化遺産のことをぜひ、知ってください。

ーーー主な著作と入選歴

「東海道ぶらぶら旅日記ー静岡二十二宿」「お母さんの歩いた山道」
「おかあさんは今、山登りに夢中」
「静岡の力石」
週刊金曜日ルポルタージュ大賞 
新日本文学賞 浦安文学賞