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卯之助石を求めて東海道へ

三ノ宮卯之助
06 /21 2015
埼玉県越谷市在住の卯之助研究者・高崎 力氏は、
卯之助石を求めて、ついに東海道へ足を踏み入れます。

調べてみるとその多くは、
すでに地元の方々に発見され文書化されていました。
ここではそうした石を取り上げてみます。
まずは川崎市の川崎大師・平間寺です。

川崎大師の八角五重塔です。
CIMG1044.jpg
 =神奈川県川崎市川崎区・川崎大師・平間寺

川崎大師によると、
「八角は最も円に近い建造物で、
これは包容力、完全性を象徴している」とのこと。

力石はこの塔の近くにあります。

説明板です。
CIMG1037.jpg

力石です。5個並んでいます。
CIMG1038.jpg

一番向こうから順に「虎龍石」「六十貫余」「雲龍石」
いずれにもご当地の力持ち「伊之助」の名前が入っています。

三ノ宮卯之助が持った石はこれです。
CIMG1039.jpg
71×44×28㎝  135Kg

「奉納 三十六メ目 岩附 卯之助 指之
明治三拾八年八月十日 大師河原 石川氏 
當所 四ッ家 伊之助 指之」

これは、昔、卯之助が差した石を、
明治38年に大師河原の石川氏と、
四ッ家伊之助が差したもの。卯之助が差した年は不明です。
かつて卯之助が、
憧れの江戸力持ちの土橋久太郎や萬屋金蔵が差した石に挑戦したように、
今度は伊之助が大先輩の卯之助に挑戦した、
そういうことをこの石の刻字が物語っています。

そしてもう一箇所、
卯之助の名が入った石が残されています。
こちらの石にも四ッ家伊之助の名が追刻されています。

ここです。京浜急行・大師線・川崎大師駅のすぐそばです。
CIMG1057.jpg
 =神奈川県川崎市川崎区・若宮八幡神社

境内から子供たちの元気な声が聞こえてきました。
神社に併設されている幼稚園のお帰りの時間だったのです。
恐る恐る中へ入ると、なにやら怪しげな一画が…。
なんだろうと近づくと、ふいに異様なモノが目に飛び込んできました。

CIMG1059.jpg CIMG1061 (2)
黒光りした巨大な男性のシンボルと木の股。

なにしろ気が小さいのでワイセツブツなんたらになるのでは、と気になって、
写真にモザイクをかけてしまいました。

でもこのときはドキドキしながらも、これは絶対写真に撮らねば、と。
そんな私を尻目に園児たちはなんの屈託もなく元気いっぱい、
キャッキャ言いながら、シンボルの周りをかけっこしていました。

ここ若宮八幡神社は、
東京都大田区にある大師河原干拓の総鎮守
「八幡塚六郷神社」を分祀した神社だそうで、かなりの古刹。

境内にあるこの「金山神社」は、
巨大な男根を神輿にして練り歩く奇祭
「かなまら祭」で有名な神社で、
若い女性や外国人には大変人気があるのだそうです。

ふうーっ…

<つづく>

※参考文献
/「三ノ宮卯之助の力石(2)」高島愼助・高崎力 四日市大学論集
 第17巻1号 2004
/「川崎市石造物調査報告書、力石、97-99」川崎市教育委員会 1980
/「神奈川の力石」高島愼助 岩田書院 2004
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雨宮清子(ちから姫)

昔の若者たちが力くらべに使った「力石(ちからいし)」の歴史・民俗調査をしています。この消えゆく文化遺産のことをぜひ、知ってください。

ーーー主な著作と入選歴

「東海道ぶらぶら旅日記ー静岡二十二宿」「お母さんの歩いた山道」
「おかあさんは今、山登りに夢中」
「静岡の力石」
週刊金曜日ルポルタージュ大賞 
新日本文学賞 浦安文学賞