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有東木の盆踊り

古典芸能
06 /18 2014
古典芸能が続きました。
が、も一つおまけに、「有東木(うとうぎ)の盆踊り」、ご紹介します。
少し気が早いですが、まあ、お許しください。
これ、そんじょそこらの盆踊りではないんです。
国指定の重要無形民俗文化財の盆踊りなんです。

静岡市の中心から車で約一時間、標高600㍍、
70余戸の「有東木(うとうぎ)集落」がその舞台です。
私も毎年参加させていただいております。
ささらやコキリコといった古い楽器を持ち、
歌と太鼓だけの素朴なリズムで踊ります。


恥ずかしながら、これ、私です。
img138 - コピー

♪「甲州河内下山村に 後家のむすめにお花というて 
人に優れて伊達者でござる」
♪「お花子女郎は深草の露 なびく若衆もきりもない」
 =ささらおどり・じょろごのおどり。

単調なようでも独特な動きがありますから、なかなか難しいです。
リズム感のない私は、いつもワンテンポ遅れます。

男踊りと女踊りがあって、
昔は男女が交じって踊ることは許されなかったそうですが、
今は輪の中に入れていただいて、粋な男衆と一緒に踊っています。

これは「灯ろう」です。
img139 (2)

盆に帰ってきたご先祖様をこれに乗せ、輪の中央に入って一緒に踊ります。

池田弥三郎の本に、「盆とは生者と死者が共に踊るもの」とあります。
だれが死者かわからないように、笠や頬被りで顔を隠して踊るんだそうで…。
一番鶏が鳴くころ、一人減り二人減り…、
その減った人がつまりご先祖だったそうな。

この集落には、市指定民俗文化財の「神楽」もあります。
私はこの神楽を最初から最後まで見続けたことがあります。
同行した友人たちの「もう帰ろうよオ~」の声を無視して…。

このときは、あんまり熱心に見入ってしまい、
写真を撮るのをすっかり忘れて、大失敗をしてしまいました。
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コメント

非公開コメント

No title

楽しい踊りの様子がうかがわれます。無芸の私だって、いつまでも有東木へそばばかり食べに行くのではなく、踊りにもと思いますが、暑い時期で尻込みしています。その暑さにもめげず踊りにこうじる人達で伝統芸能が続いているのは凄いことだと思います。そして、地元の方の熱意に感激です。

地元の方の熱意、頭が下がります

s.h..様
コメントありがとうございます。

地元の方からの手紙に、こうありました。
「今は保存という形になってしまいましたが、昔は最も新しい流行の踊りで、村の若者たちが夢中で踊ったのだと思います」
「これもいつかは消えていくものかも知れません。それまでは一生懸命、守っていきます」

そういえば、有東木のお蕎麦、ずいぶん食べてないなあ。

No title

へへへ、サヤコちゃん発見~!!

私が空学生の頃だから今から40年以上前かな?体育祭の時に全校で「お神楽」を踊りました。
袴をはいて、手製の被り物をあたまにのせて・・・。
全校練習は音楽教師の指導で五線譜で書かれた音階と西洋音楽のリズムで踊りをマスターしたのですが、当日本番で太鼓をたたきながら吟じた本物のお神楽の歌い手の歌とリズムに驚いてみんな足がすくんでしまった思い出があります。
それでも何とか踊り終えたわけですが、これは西洋音楽と邦楽との決定的な違いを認識した初めてのことでした。
ずいぶん昔のことです。当時はまだ、各家庭に袴があったわけです。全校の600人余りが皆自前の袴をはいて踊ったわけですから。

No title

あれ?
中学生の頃・・・のまちがいでした~

はい、正体あらわしましたです。へへへ

kappa様
コメントありがとうございます。

600人の袴姿って、思っただけでも壮観ですね。
東北地方だと修験系の「山伏神楽」でしょうか。
当時の学校は、粋なことをしたんですね。

昔、島根の山奥で「岩見神楽」を見たことがありますが、これはもうダイナミックです。もうもうと煙が立ち込め太鼓がおどろおどろしく鳴り響き、巨大なヤマタノオロチが舞台狭しと暴れまわるんです。
それに比べると「駿河神楽」は大人しいです。

No title

ちから姫さま、ゆかたすがた、かわゆいです v-238

「かわゆい」だなんて「こそばゆい」です

み・ねやまん様
コメントありがとうございます。

国の重要文化財の盆踊りに入れていただけるなんて夢のようです。地元の方がこうして門戸を開いて迎え入れてくださる、感謝感謝です。

友人たちを誘うんですが、「見るだけなら」と。同じアホなら踊らにゃ損々、ですよね!

有東木の盆踊り

本日「力石に魅せられて」のHPを教えていただき初検索しました。
私は「ウトウギの盆踊り」と記憶しておりますので、保存会の「燈籠の白鳥さん」か「宮原保存会長」に確認願います。
15日最後の「送り出し」も素晴らしく感じております。

No title

お祭り大好き様
コメントありがとうございます。

お祭り大好きさんは有東木のことはよくご存知のようですね。

公称は「有東木の盆踊」のようで、年に一度だけおじゃまする私もそのように教えていただいています。

送り出しはまだ見たことがなく残念です。有東木のみなさんは素晴らしい方ばかりで、今年もまたお会いするのを楽しみにしております。

雨宮清子(ちから姫)

昔の若者たちが力くらべに使った「力石(ちからいし)」の歴史・民俗調査をしています。この消えゆく文化遺産のことをぜひ、知ってください。

ーーー主な著作と入選歴

「東海道ぶらぶら旅日記ー静岡二十二宿」「お母さんの歩いた山道」
「おかあさんは今、山登りに夢中」
「静岡の力石」
週刊金曜日ルポルタージュ大賞 
新日本文学賞 浦安文学賞