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日向の七草祭りと力石

古典芸能
06 /17 2014
古典芸能が続きます。
でも力石も登場します。本日は祭りの脇役ですが…。

場所は、静岡市葵区日向(ひなた)の福田寺観音堂です。
戸数80余の小さな集落ですが、中世には南朝方の居城があり、
観音堂前の道は秋葉みちでもあり、東国へ繋がる交易ルートでもありました。

祭りの提灯が夜空に浮かびます。
旧暦1月7日。空気も凍るほどの寒さです。

CIMG0674.jpg

日向の「七草祭り」の始まりです。
これは「田遊び」で、静岡県指定無形民俗文化財になっています。

まず、お堂前の仮設舞台で、裃姿の舞役が神を迎える「歳徳祝」を舞います。
この方たちは昼間、藁科川で水浴潔斎をしています。

「大拍子」「申田楽」、そして養蚕との結びつきが深い「駒んず」が舞われます。
笹竹を持った舞役が円陣を組み、
その中へ駒と鳥の被り物をつけた少年が入ります。

順の舞、道化の舞のあと、いよいよ本祭りの「数え文(もん)」です。
CIMG0679.jpg

「数え文」を唱えながら、田んぼに見立てた太鼓に「福の種」を播きます。

「都にまします関白殿 あすらまんちょうの 御正作の福の種」
「地頭殿の あすらまんちょうの 御正作の福の種」

この「福の種」というのがいいですね。
普段はお茶やわさびの農家のおじさんが、この日ばかりは裃を着け、キリリと舞う、
この変身がもうたまらなく魅力的です。
ハレとケ、見事です。

力石です。
CIMG0651 (2)

鉄分を含んだテツガン石です。3個あります。

アマチュアカメラマンが石の上に乗っていたので、
「おいおい、なんて恐れ多いことを!」と優しく一喝。

この日、集落の方から「力石なら、うちにもあるよ」との貴重な情報が…。
後日、訪問したことはいうまでもありません。
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雨宮清子(ちから姫)

昔の若者たちが力くらべに使った「力石(ちからいし)」の歴史・民俗調査をしています。この消えゆく文化遺産のことをぜひ、知ってください。

ーーー主な著作と入選歴

「東海道ぶらぶら旅日記ー静岡二十二宿」「お母さんの歩いた山道」
「おかあさんは今、山登りに夢中」
「静岡の力石」
週刊金曜日ルポルタージュ大賞 
新日本文学賞 浦安文学賞