「孤闘」を読んで
書籍
「孤闘」という本を読みました。
著者はテレビ朝日社員で弁護士の西脇亨輔氏。
副題は「三浦瑠麗裁判1345日」です。
西脇さんが訴えた相手は「国際政治学者」を名乗り、
テレビ朝日の看板番組、田原総一郎氏が司会を務める「朝まで生テレビ」に
出ずっぱりだった三浦瑠麗氏で、誰もが知っている有名人です。
だが、この「国際政治学者」の女性は、
社員にも知られていなかった西脇氏の夫婦間の問題をツイッターで拡散。
西脇氏はその反響の大きさと誹謗中傷に耐え切れず、
三浦氏を「プライバシーの侵害」「名誉棄損」で訴えた。
相手は自分が勤務するテレビ局の、しかも看板番組の人気出演者です。
そこには当然、葛藤はあったが、著者は本の末尾にこう書いている。
「闘うことが私の存在証明だった」
三浦瑠麗氏は、マスコミに持てはやされた売れっ子だけではなく、
強力な政治家を後ろ盾に、政府の複数の重要委員会に委員として
名を連ねるという「マルチ学者」で、まさに怖いものなしの、
ある種、彼女自身が「権力者」そのものという人物だった。
その「権力者」としての高慢な意識は、彼女の訴状の中に西脇氏を、
「テレビ朝日の一会社員」「原告はサラリーマンにすぎない者」
と、たびたび卑下していることからも見て取れる。
さらに時代の寵児を彷彿させたのが、彼女の援護者たちの名前だった。

弁護は元大阪府知事だった橋下徹氏の法律事務所の弁護士が担当。
「池上彰氏、津田大介氏、古市憲寿氏、田原総一郎氏。綺羅星のような
著名人の名前が陳述書に並ぶ」=「孤闘」
控訴審では著名な憲法学者で東京都立大学教授の木村草太氏が登場した。
これに対して、西脇氏は弁護士を頼まず本人訴訟で裁判に臨んだ。
木村草太氏の意見書を丹念に読み、彼の意見書にあった参考文献も精査、
そして木村氏の矛盾点を次々、論破していく。
このあたりは読んでいて胸がすく。
「著名な学者」という形容詞に惑わされてはいけないという教訓にもなった。
西脇氏が捨て身でこの裁判を決意した理由の一つ、
「インターネットや表現の場での「言った者勝ち」「目立った者勝ち」
という風潮に一矢報いたいという気持ちだった」に、私は大いに賛同した。
金稼ぎと目立ちたいだけの、
愚かで過激な映像や言葉が溢れるネット世界に、うんざりしていましたから。
さて、この裁判はどうなったかというと、
三浦氏は裁判所からの和解勧告にも応じず、執拗に控訴を繰り返したが、
今年2023年3月22日、最高裁で棄却され敗訴が確定した。
世間から無謀な闘いと言われ、どんなに嗤われようとも西脇氏は闘い抜き、
「著名人」「権力者」に、見事に勝ったのだ。

「孤闘」西脇亨輔 幻冬社 2023
「たとえ名もない一介のサラリーマンに過ぎなくても、他人が名誉を棄損したり
プライバシーを侵害することは、許されないことではないのか」
そういう西脇氏の心の叫びが日の目を見た瞬間だった。
昔、テレビに登場したばかりのころの三浦瑠麗氏を見たことがあったが、
私には「言葉の羅列ばかりで主旨がない人」という印象しかなかった。
この「主旨がない」ということについて、西脇氏もこんなことを書いていた。
「訴訟では三浦氏の論点がどんどんズレるので大変だった」
テレビでの発言も何を言わんとしているのか私にはサッパリだったので、
以来、全く興味を持たないままできたが、この本を読んで改めて思った。
なんで他人の離婚に首を突っ込むのか。
触れてほしくない「離婚」という個人的なできごとを、
第三者がツイッターで拡散する必要がどこにあるというんだろうか。
これが彼女が名乗る「国際政治学」と、どう関係があると言うの?
西脇氏の元・妻は売れっ子の記者だという。
著者は本の中でこう書いている。
「ある日、家に帰ったら彼女の荷物が全部なくなっていた」
「妻が某テレビ局員と同棲していることを週刊誌の報道で初めて知った」
同じつらさを経験した私には、西脇氏の驚愕と戸惑いがよくわかります。
同時に元・妻はなぜ、
「ほかに好きな人が出来ました」と頭を下げなかったのかと思った。
それが夫婦として過ごした相手への最低のマナーではないのか、と。
あ、これも第三者からの余計なおせっかいですね。すみません。
さて、西脇氏は裁判に勝利し、三浦氏との闘いは終わった。
仕事をこなし、妻を寝取られた哀れな男という恥辱を受けつつ、
著名人を相手の1345日、3年8カ月という長きにわたった孤独な闘い。

妻と暮らしたマイホームを売却するとき、内覧に訪れた若い夫婦がいた。
連れてきた4歳ぐらいの女の子が「ここ、私の部屋!」と言い、
部屋を駆け回っている。
「ここがいいの?」とお父さんとお母さんが笑っている。
その家族を見て西脇氏は思った。
「ああ本当だったら自分たちがこの部屋で、
こんな話をしているはずだったのに」
3年8カ月の闘いの賠償金はたったの「35万9219円」
「色彩のない世界で、控訴審の書類を作りながらいつも聴いていたのは、
エレファントカシマシの「悲しみの果て」だったという西脇氏。
気が付けば52歳になっていた。
「自分が壊れないために「自分」が「自分」のままであるためには、
この裁判はやるしかなかった」西脇氏は、
今年、この裁判記録を「孤闘」として出版した。
そしてその印税すべてを「犯罪被害救援基金」の団体に寄付した。
で、西脇氏に敗訴した三浦瑠麗氏はというと、最近、肩書が、
「国際政治学者」から「エッセイスト」に変わっているのだそうです。
ーーーギョエーッ!!
本日、女子高生の制服のスカートをはいたジイサンを見てしまいました。
超ミニのスカートから筋張った生足がニョキッ。
「心は女の子です」って顔でいましたが、もう、世も末です。

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著者はテレビ朝日社員で弁護士の西脇亨輔氏。
副題は「三浦瑠麗裁判1345日」です。
西脇さんが訴えた相手は「国際政治学者」を名乗り、
テレビ朝日の看板番組、田原総一郎氏が司会を務める「朝まで生テレビ」に
出ずっぱりだった三浦瑠麗氏で、誰もが知っている有名人です。
だが、この「国際政治学者」の女性は、
社員にも知られていなかった西脇氏の夫婦間の問題をツイッターで拡散。
西脇氏はその反響の大きさと誹謗中傷に耐え切れず、
三浦氏を「プライバシーの侵害」「名誉棄損」で訴えた。
相手は自分が勤務するテレビ局の、しかも看板番組の人気出演者です。
そこには当然、葛藤はあったが、著者は本の末尾にこう書いている。
「闘うことが私の存在証明だった」
三浦瑠麗氏は、マスコミに持てはやされた売れっ子だけではなく、
強力な政治家を後ろ盾に、政府の複数の重要委員会に委員として
名を連ねるという「マルチ学者」で、まさに怖いものなしの、
ある種、彼女自身が「権力者」そのものという人物だった。
その「権力者」としての高慢な意識は、彼女の訴状の中に西脇氏を、
「テレビ朝日の一会社員」「原告はサラリーマンにすぎない者」
と、たびたび卑下していることからも見て取れる。
さらに時代の寵児を彷彿させたのが、彼女の援護者たちの名前だった。

弁護は元大阪府知事だった橋下徹氏の法律事務所の弁護士が担当。
「池上彰氏、津田大介氏、古市憲寿氏、田原総一郎氏。綺羅星のような
著名人の名前が陳述書に並ぶ」=「孤闘」
控訴審では著名な憲法学者で東京都立大学教授の木村草太氏が登場した。
これに対して、西脇氏は弁護士を頼まず本人訴訟で裁判に臨んだ。
木村草太氏の意見書を丹念に読み、彼の意見書にあった参考文献も精査、
そして木村氏の矛盾点を次々、論破していく。
このあたりは読んでいて胸がすく。
「著名な学者」という形容詞に惑わされてはいけないという教訓にもなった。
西脇氏が捨て身でこの裁判を決意した理由の一つ、
「インターネットや表現の場での「言った者勝ち」「目立った者勝ち」
という風潮に一矢報いたいという気持ちだった」に、私は大いに賛同した。
金稼ぎと目立ちたいだけの、
愚かで過激な映像や言葉が溢れるネット世界に、うんざりしていましたから。
さて、この裁判はどうなったかというと、
三浦氏は裁判所からの和解勧告にも応じず、執拗に控訴を繰り返したが、
今年2023年3月22日、最高裁で棄却され敗訴が確定した。
世間から無謀な闘いと言われ、どんなに嗤われようとも西脇氏は闘い抜き、
「著名人」「権力者」に、見事に勝ったのだ。

「孤闘」西脇亨輔 幻冬社 2023
「たとえ名もない一介のサラリーマンに過ぎなくても、他人が名誉を棄損したり
プライバシーを侵害することは、許されないことではないのか」
そういう西脇氏の心の叫びが日の目を見た瞬間だった。
昔、テレビに登場したばかりのころの三浦瑠麗氏を見たことがあったが、
私には「言葉の羅列ばかりで主旨がない人」という印象しかなかった。
この「主旨がない」ということについて、西脇氏もこんなことを書いていた。
「訴訟では三浦氏の論点がどんどんズレるので大変だった」
テレビでの発言も何を言わんとしているのか私にはサッパリだったので、
以来、全く興味を持たないままできたが、この本を読んで改めて思った。
なんで他人の離婚に首を突っ込むのか。
触れてほしくない「離婚」という個人的なできごとを、
第三者がツイッターで拡散する必要がどこにあるというんだろうか。
これが彼女が名乗る「国際政治学」と、どう関係があると言うの?
西脇氏の元・妻は売れっ子の記者だという。
著者は本の中でこう書いている。
「ある日、家に帰ったら彼女の荷物が全部なくなっていた」
「妻が某テレビ局員と同棲していることを週刊誌の報道で初めて知った」
同じつらさを経験した私には、西脇氏の驚愕と戸惑いがよくわかります。
同時に元・妻はなぜ、
「ほかに好きな人が出来ました」と頭を下げなかったのかと思った。
それが夫婦として過ごした相手への最低のマナーではないのか、と。
あ、これも第三者からの余計なおせっかいですね。すみません。
さて、西脇氏は裁判に勝利し、三浦氏との闘いは終わった。
仕事をこなし、妻を寝取られた哀れな男という恥辱を受けつつ、
著名人を相手の1345日、3年8カ月という長きにわたった孤独な闘い。

妻と暮らしたマイホームを売却するとき、内覧に訪れた若い夫婦がいた。
連れてきた4歳ぐらいの女の子が「ここ、私の部屋!」と言い、
部屋を駆け回っている。
「ここがいいの?」とお父さんとお母さんが笑っている。
その家族を見て西脇氏は思った。
「ああ本当だったら自分たちがこの部屋で、
こんな話をしているはずだったのに」
3年8カ月の闘いの賠償金はたったの「35万9219円」
「色彩のない世界で、控訴審の書類を作りながらいつも聴いていたのは、
エレファントカシマシの「悲しみの果て」だったという西脇氏。
気が付けば52歳になっていた。
「自分が壊れないために「自分」が「自分」のままであるためには、
この裁判はやるしかなかった」西脇氏は、
今年、この裁判記録を「孤闘」として出版した。
そしてその印税すべてを「犯罪被害救援基金」の団体に寄付した。
で、西脇氏に敗訴した三浦瑠麗氏はというと、最近、肩書が、
「国際政治学者」から「エッセイスト」に変わっているのだそうです。
ーーーギョエーッ!!
本日、女子高生の制服のスカートをはいたジイサンを見てしまいました。
超ミニのスカートから筋張った生足がニョキッ。
「心は女の子です」って顔でいましたが、もう、世も末です。

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コメント
三浦瑠麗という女の本質
「国際政治学者」から「エッセイスト」に変わっているのだそうです。
○記事、拝見しました。
三浦瑠麗という女の名前は知っていましたが、その本質が分かる記事でした。
日本では、こんな女をテレビでもてはやし、腐っている日本の現状も理解できました。裁判官も支持できなかったのは救いでした。
2023-11-19 07:54 レインボー URL 編集
レインボーさんへ
世の中にはコツコツと研究生活をしている真面目な方々がたくさんおられます。
でも時の権力とは反対のことを主張すると、隅に追いやられます。
学問や思想は真実の探求が本分であるはずなのに。
私はテレビは持っておりませんが、
テレビに登場する方は信じないという偏屈人間です。
今やネットもゲイノージンの花盛りでうんざりすると同時に、
ここまで劣化が進んでしまった日本はもうダメだと諦めております。
2023-11-19 10:10 雨宮清子(ちから姫) URL 編集