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ガステーブル

世間ばなし➁
06 /25 2023
ガステーブルを買い替えた。

使い始めて11年。
まだどこも悪くはないけれど、
この前、「老い支度」の講演会で聞いた話が妙に胸に刺さってて…。

講師の先生はこう言った。

「老年期には三段階ある。
まだまだ元気なピンピン期、少し危なくなってきたヨロヘタ期、
最後は力が尽きるバタリ期です」

講師は自作のこの「ピンピン、ヨロヘタ、バタリ」を、
興奮しながら繰り返した。

おかげで家に帰っても、この「ピンピン…」が脳裏から離れなくなった。

今の私は以前に比べたら体力は落ちた。
でもまだヘタバってはいないから、
「ピン、ヨロ」ってところかなぁなどと思いつつ、台所に立ったら、
ここへ入居したとき買ったガステーブルが目に入った。

ガス会社では10年目が買い替え時だという。


11年使ったガステーブル。
20230624_113315.jpg

講師の先生がとどめを刺すみたいに、
「料理ができなくなったら、人間おしまいです」
と言い放った絶望的な物言いが蘇る。

そうか。今までは考えてもみなかったけれど、
料理ができなくなる時が必ず来るんだな。

東海大地震じゃないけれど、
今の自分の年齢を考えたら、それは「いつ来てもおかしくはない」

というわけで、買い替えるなら、
まだ説明書も読めてホースの取り付けもできる「今しかない」と。

早速通販で購入。思いのほか早く手元に届きました。

今年5月の製造になっているけれど、段ボール箱はなんだか古い。
これ、大丈夫かなあと思いつつ、取り付けにかかろうとしたとき、

今までお世話になったガステーブルとの別れが、急に惜しくなった。

毎日三度三度、お世話になって、安全に楽しく使わせていただいたんだもの、
ガステーブルだってまだ私と同じ「ピン、ヨロ」ぐらいだもの、

それをもう価値がないと勝手に決めつけて捨てるなんて、
自分を捨てるようなもんじゃないの、なんて感傷的になっちゃって。

で、せめてもの感謝の気持ちに、
きれいに拭いて「ありがとう」と撫でて、お塩でちょっと清めてあげた。

DSC05482_20230624164115769.jpg

見渡せばまわりのご老人たちは、
ガスから電磁調理器に替えた人、宅配弁当一辺倒の人とさまざま。

でも私は、
料理を作れなくなるその日その時まで思いっきり楽しんでいこうと、
新しいガステーブルの前で誓ったのであります。


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コメント

非公開コメント

No title

ピンピン・ヨロヘタ・バタリですか。
黄泉への過程として理想的?で全うした感があります。
以前、貴ブログで「ピンコロ地蔵」の存在を読んだことがありましたが、
こちらはヨロヘタを経たくない意志・願望が窺われていて、その思いは
言わずもがなです。
11年生活を共にしたガステーブルとの別れに、塩を振る。物の哀れ・・・。

夏目さんへ

コメントありがとうございます。
年を取るって大変なことだと実感しております。
最近は「ピンピン暴走老人」が増えましたし。
理想はピンコロですが、おひとりさまだとその「コロ」の場所が問題です。

ネットでこんな悩みを読みました。
「両親は日ごろから健康のため食生活に気を付け、運動もしていたが認知症になった。体が丈夫なだけにかえって大変なことになった」
なんだか考えさせられました。

未だ使えそうなガステーブル

このガステーブル、”11年もの” ですか??
とても綺麗じゃないですか!!
もったいない~って思ってしまいました。
ちから姫様の日常が、ぐーたら私には想像
つかないくらい、しっかりきっちり、だと
改めて思いました。週末、お台所の掃除を
頑張ります( ´艸`)
アラ卒ageの母は、料理が大好きでマメな人
でしたが、この春から衰えが増して、今は
レンチン調理に移行しました。出来ない事
が増えてきたことを本人も自覚しています。

BUSYBEE-GAEIさんへ

コメントありがとうございます。
本当はすごいぐーたらなんです。テーブルの上は元へ戻さないお茶缶やらビタミン剤やらがゴチャゴチャ乗っかっています。
ただ子供の頃から物持ちがいいんです。ことさら大切に使っているわけでもないのに、ランドセルも筆箱も6年間、無傷。母から「まったく張り合いがない子」と。

そのランドセル、隣町のかばん屋の店主がお店の看板用に作ったものでしたが、もう一目見てこれしかない、と。ランドセルの背一面に大輪のバラが描かれていたんです。革製ではなく布製。硬い芯や板状のものを入れて網の目状の繊維を貼り付け、その上から丈夫な布を貼り付けたものでした。
根負けした母が店主にお願いして買いましが、「あそこの家は皮のランドセルを買えないんだと言われる」とオカンムリ。でも私は大得意で通学しました。

食事作り、頑張ります!

雨宮清子(ちから姫)

昔の若者たちが力くらべに使った「力石(ちからいし)」の歴史・民俗調査をしています。この消えゆく文化遺産のことをぜひ、知ってください。

ーーー主な著作と入選歴

「東海道ぶらぶら旅日記ー静岡二十二宿」「お母さんの歩いた山道」
「おかあさんは今、山登りに夢中」
「静岡の力石」
週刊金曜日ルポルタージュ大賞 
新日本文学賞 浦安文学賞