fc2ブログ

みなさまからの盃状穴

盃状穴
02 /08 2023
ここでみなさまが調査などの途次で見つけた「盃状穴」をご紹介します。

こちらは、
ブログ「横浜水道みちを行く」のdoushigawaさんが見た盃状穴です。
水の道の元の元を訪ねて地道に調査されている方です。

「綾瀬川右岸をスタート、立合橋を渡り水門を見る。
右岸の桜並木を歩き、橋の上から見沼用水路上流を見る。

そして踏切を渡った路傍に石造物を見つけた。
青面金剛像の足元を見たら、なんと台座に溝状の凹みが…」


水道みち
埼玉県蓮田市大字蓮田

なんとも奇妙な、しかし、切込みの凄さに強い意志が感じられます。

詳細は以下をご覧ください。
「其の873 瓦葺分水工・瓦葺伏越② 埼玉県蓮田市」

こちらは、静岡県
「焼津市歴史民俗資料館」さんからいただいた情報です。

「その昔、お相撲さんが運んできた」という言い伝えがあるそうです。


「お相撲さんの石」
おすもうb
福昌院(焼津市三ケ名538)近くの大きな松の根元にある。

この石はちょっと気になる石です。
力石のようでもあり、道祖神ぽい感じもしますし。

石の上の窪みは、石造物調査の調査員が土地の人から、
「子供が開けた」と聞いたとのことです。


でもこの高さですから、子供が開けたというのはちょっと無理がありますね。
祈願のために大人が開けた穴で、のちに子供が遊んだのかもしれません。
おすもうa

「お相撲さんの石」の情報は、学芸員さんが20数年前の調査書を調べて、
ご一報をくださり、その後、現地確認に行ってくださったとのこと。

改めて感謝申し上げます。


ほかに和田神社(三ケ名)の明治14年奉納の手水鉢、
法華寺(花沢)近くの水車小屋脇の
「津島さんの石」などの情報をいただきました。

この「津島さんの石」はかつて石の上に木の祠を安置して榊を立てたそうです。
「津島さん」は「牛頭天王」のことでしょうか。

次にご紹介するのは、
原始信仰の痕跡を「これでもか」というくらい追い求めている方です。

ブログ「神秘と感動の絶景を求めて」のsazanamijiroさんで、
古代史への造詣が深く、
特に巨石群の壮大な写真にただただ圧倒されます。


その中で「盃状穴」にも言及されています。

伊勢神宮外宮の橋「亀石」。
無数の穴が開いているそうです。
左端の穴は「溝」で連結された盃状穴ですね。
神秘1

こちらは「大宮売神社」の御旅所の「盃状穴」です。

神秘2
京都府京丹後市大宮町

ブログにはまだまだたくさんの盃状穴が掲載されています。

神秘的な神社の風景と共に、ご堪能ください。


「盃状穴という謎」

ーー-みなさまからの「盃状穴」情報、お待ちしています。

手水鉢に限らず石造物には奉納年月が刻まれていますから、
盃状穴が穿たれた年代はそれ以降ということになります。

ただし、遺跡出土の石を転用した場合、
すでに盃状穴が穿たれていることもあるそうですから、ご注意ください。

ここでまた、反論をひとつ…。


「盃状穴考」で、元禄時代の年号と「釈 遊意」と法名を刻んだ
広島県呉市広町・善通寺の手水鉢を取り上げていますが、
報告者は「従来の生産や豊穣の穴とするのは不合理」として、

縁に穿たれた16個の穴は、
「供養と再生のための穴」ではないかと結論付けている。

故人の徳を偲び、再生を願って信奉者が穴を開けた?

うーん、この結論、私にはちょっとすっきりしないんですよね。


にほんブログ村 歴史ブログ 日本の伝統・文化へ
にほんブログ村
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

No title

ご紹介いただき、ありがとうございます。
今更ですが、当該記事の文末をシレっと変えておきました(^_-)-☆

sazanamijiroさんへ

写真の使用など許可いただきありがとうございました。
「文末をシレっと…」
なになに?と思って見たら、拙ブログの紹介。
ありがとうございます。
「穴」はあの世とこの世の通路と言いますが、
私はまだまだこの世に残っていたいから、
穴はこちら側から眺めるだけにしておきます。
今後ともよろしくお願いいたします。

雨宮清子(ちから姫)

昔の若者たちが力くらべに使った「力石(ちからいし)」の歴史・民俗調査をしています。この消えゆく文化遺産のことをぜひ、知ってください。

ーーー主な著作と入選歴

「東海道ぶらぶら旅日記ー静岡二十二宿」「お母さんの歩いた山道」
「おかあさんは今、山登りに夢中」
「静岡の力石」
週刊金曜日ルポルタージュ大賞 
新日本文学賞 浦安文学賞