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学園創設の原点

物流の科学的研究に着手し、のちに「物流の父」と呼ばれた平原直氏。
その自宅の庭に置かれていた力石は、
氏の逝去後、日本通運(株)と縁の深い流通経済大学へ寄贈された。

※平原氏は戦前、日本通運(株)に在職。また流通経済大学は、
  日本通運(株)の出捐(しゅつえん)=寄付=によって設置された大学。

力石の寄贈を受けた大学では「平原直 物流資料室」を設置。
他の資料とともに保管することになった。

こちらがその当時の力石です。右から二つ目の石は「車石」。
流通経済大学1

それから14年後の平成27年(2015)、創立50周年を迎えた同大学は、
IT時代にふさわしい最新の教育機材を取り入れた新キャンパスの建設に着手。

この建物を造るにあたり、
「学園の過去・現在・未来をつなぐシンボルをぜひ作りたい」
と思案を巡らせていた野尻俊明学長は、
「このとき、平原氏から贈られた力石を思い出した」と随想で語っています。

2017年に完成した流通経済大学・龍ケ崎キャンパスです。
HPはこちらです。「流通経済大学」

ryutsukeizai_img001_201903020848460b9.jpg
茨城県龍ケ崎市・流通経済大学・龍ケ崎キャンパス

同大学のキャンパスは、この龍ケ崎市と千葉県松戸市の2ヵ所にあります。

「最先端のロジスティクスを現場で学ぶ」ー、
そういう「実学主義に基づく教育理念」と、
全国的にも珍しい「全員ゼミ制度を実施」という特色を持つ大学です。

ロジスティクスとは、原材料の調達から生産・販売に至るまでの
 物流を管理するシステムのこと。

龍ケ崎キャンパスの「スポーツ健康科学部」では、
沖縄・渡嘉敷島での海浜実習も行っています。

ここでのテーマは、
「スポーツ文化」「スポーツ政策」「水難救助」「食事と運動」
「発達障害児(者)のスポーツを通した社会適応」など多岐にわたっています。

また、
近代日本を代表するジャーナリストの「三宅雪嶺 記念資料館」も併設。
これは、雪嶺の嫡孫が同大学名誉教授だったご縁から実現したそうです。

※三宅雪嶺=加賀藩出身の哲学者・歴史家・評論家。
         雑誌「日本及日本人」など発行。著書に「真善美日本人」など。
         友人に美術家の岡倉天心、作家の坪内逍遥など。

なんだか大学のPRブログみたいになっちゃったけど、お許しあれ!

さて、下の写真です。
これは、野尻学長が「学園の過去・現在・未来をつなぐシンボル」と位置付け、
新館エントランスに設置した力石です。

朱も入れていただき、すっかりきれいになりました。

SAIT0174.jpg

右から、
「白龍」
「再会 試力石 秋葉原」
「力石 贈 岡正矣 正三十メ目」


人力労働の象徴の「力石」が、最新機材を備えた大学構内にあって、
平成生まれの若者たちの身近にあることの不思議さ、楽しさ、有難さ。

立派な説明板も掲げられています。

SAIT0191 (2)

これらの写真は、昨年、同大学へ力石の写真送付をお願いしたとき、
総務の方が即座に撮影して送ってくださったものです。
見ず知らずの私からの唐突で無遠慮なお願いにも関わらず…。

届いた写真を見ながら、このご配慮に信じられない思いでしばしボーッ。

学長から、ぜひ協力してあげてくださいとの指示がありました。
野尻学長は力石への思い入れも強く…、
雨宮様からお問い合わせをいただいたことが
とてもうれしかったようでございます」
との総務の方のメールに、もう胸が熱くなって…。

その後も学長は、
同大図書館学芸員OBの方や、物流博物館にも働きかけてくださり、
貴重な「平原アルバム」もお借りすることができました。
本当に、身に余るご好意を頂戴しました。

改めて感謝申し上げます。

SAIT0167.jpg

野尻学長が特に興味を惹かれた「再会」石には、
荷揚げの若者たちの喜び悲しみがいっぱい沁みこんでいます。

空襲で焼かれ行方不明になったものの、土中からひょっこり現れて、
古谷野庫太郎から平原氏へ渡り、そして今、
物流の最先端を学ぶ若者たちの学び舎に置かれている。

この石が持つたくましさ、強運。

野尻学長は言う。
「この3つの力石は、本学園創設の原点」と。

「再会」の刻銘通り、ここに学ぶ若者たちはこの先の人生で、
たくさんの人と出会い、別れ、再会を経験していくことと思います。

くじけそうになったら、ここに並ぶ力石にそっと手を置いて、
パワーをいただいてください。
石から、昔の若者たちの元気な力が伝わってきますから。


※参考文献/「「力石」への思い」野尻俊明 大学時報58 2016
        / 流通経済大学HP
※画像提供/流通経済大学龍ケ崎キャンパス


     ーーーーー◇ーーーーー

前回お伝えしました力石を詠んだ俳句、短歌、川柳などを、
引き続き募集しています。詳細は前回のブログをご覧ください。

流通経済大学の学長さまを始め、関係者、学生さんからもいただけたなら
嬉しいです。
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プロフィール

雨宮清子(ちから姫)

Author:雨宮清子(ちから姫)
昔の若者たちのスポーツ「石上げ」に使われた「力石(ちからいし)」の歴史・民俗を調査研究しています。力石のことを少しでも知っていただけたら嬉しいです。

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