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桃太郎の鬼退治

末尾に「雷電の力石」を載せました。
☆「雷電石」の追加です。

    ―ーーーー◇ーーーーー

幻となった「オリンピック東京大会」のかわりに、
国は「国民精神作興体育大会」を、昭和13年(1938)に開催します。

徳蔵の一人息子の飯田定太郎も友人の南治作と参加。

写真は、徳蔵がつくった「神田川道場」・
「神田川倶楽部」のユニフォーム姿の定太郎です。

定太郎3 (3)

重量挙の演技をする定太郎

定太郎3

「作興(さっこう)」とは、「心を奮い立たせる」という意味です。

大日本帝国は中国大陸、アジアへと侵攻し、
さあ、これからは「鬼畜米英」相手に戦争を拡大していかなければならない。

「国民よ、今こそ大和魂を奮い立たせ、
一丸となって、これに立ち向かおうではないか」というわけです。

当時のこんなが残っています。

♪首都南京はついに落つ
 焼けた砲銃(ほづつ)の手を止めて
 にっこり笑めば隊長も
    (略)
 皇軍大捷万々歳  「皇軍大捷の歌」


政府は「徐州作戦」「武漢三鎮攻略」「広東攻略」と次々に計画。

連戦連勝、イケイケドンドンと新聞も煽る。

しかし、国内は火の車。ガソリン不足で車の燃料は木炭

img056_201807250909463af.jpg

戦後ずっとあとになっても、私の田舎では木炭バスが走っていた。
家の飼い犬が坂の途中でいつも寝ていて、
坂の下からあえぎあえぎ登ってきたバスがクラクションを鳴らしても
知らん顔。

バスは犬の直前で動かなくなる。
するとそれを見越したかのように、犬は「めんどくせーなァ」とでもいうように、
やおら起き上がり大きく伸びをした。

バスから立ち上る水蒸気。運転手が曲がった鉄の棒を回してエンジンをかける。
ガガガッとエンジンがかかり、バスは車体をブルブル震わせながら、
エンヤラ、どっこいしょと坂を上りきった。

やがてガソリンバスが走り出すとその勢いに恐れをなして、
犬は坂道の途中で寝るこの習慣をパッタリやめた。

さて、
こちらは「精神作興体育大会」のメダルです。

img054_201807250922581ab.jpg

図柄は桃太郎
桃太郎の「鬼退治」「鬼畜米英の成敗」をかけたものだそうです。

従軍して現地へ赴いた作家の林芙美子は、
長江の沿岸にひるがえる日章旗を見て感激して、
「涙せきあえず」となったが、

こんな竹やりでは、いくらなんでも勝ち目はない。

この7年後の昭和20年には全面降伏となり、大日本帝国は崩壊。、
林芙美子も感激の涙を悲歎の涙に変えるしかなかった。

img412_20180725093925b84.jpg

当時は、永平寺のお坊さん相撲取りもみんな兵隊になった。

日本ウエイトリフティングを草創期から支えた井口幸男
その井口のライバル、中島寅男も戦場へ狩り出された。

その数年後、飯田定太郎にも召集令状が届いた。


※参考文献・画像提供/「飯田徳蔵子孫
              /「眼で見る昭和」朝日新聞社 昭和50年
              /ブログ「japanese old art medal」

          ーーーーー◇ーーーーー

ブログ「平成の世捨て人」のone0522さまからいただいたコメントの
「雷電の力石」をご紹介します。

雷電為右衛門墓前に置かれた力石。右は雷電の手形と伝えられている石。
img057_20180728154323621.jpg img057 (2)
いずれも東京都港区赤坂・報土寺

長野市にある「雷電の力石」
橋の架け替えで不要になった石を雷電が神社まで運んだとの伝承がある。
この石の上に子供を立たせると、丈夫に育つといわれている。

img058_20180728154935917.jpg
長野市東町・武井神社

      ーーーーー◇ーーーーー

諸行無常さまから情報をいただきました。
「雷電石」の追加写真です。

左は雷電生家の「雷電の鋤石」
雷電が畑の行き帰りに鋤の先につるして歩き、体を鍛えたという伝承の石。

右は「道の駅・雷電くるみの里」の力石。
旧大石集会所にあったもので、雷電由来の力石かは不明。

img059 (3) img059.jpg
いずれも長野県東御市。「長野の力石」高島愼助 岩田書院 2014       
プロフィール

雨宮清子(ちから姫)

Author:雨宮清子(ちから姫)
昔の若者たちのスポーツ「石上げ」に使われた「力石(ちからいし)」の歴史・民俗を調査研究しています。力石のことを少しでも知っていただけたら嬉しいです。

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