姫路天満の
蛭子・神明両神社の力石を担ぐという
大江誉志さんの挑戦は、
すべて成功という快挙で
無事終了。
あとは地元の若者たちによる石担ぎを見物するだけとなりました。
若者たちの石担ぎは、
村練りを終えた屋台が神明神社へ宮入りしたあとなので、
夕方遅くからになるとのこと。
それまでには少し間があります。
「せっかくだから近くの力石を見に行こう」ということになり、
浪速の長州力さんの案内で出かけました。
まずは
小坂菅原神社です。

姫路市広畑区小坂
神社の説明によると、祭神は
菅原道真。
平安貴族の菅原道真は、藤原時平の陰謀により九州・太宰府へ配流。
その途中、播磨灘で暴風雨に巻き込まれます。
そのとき自刻の
木像を海に流したところ、それがこの地に漂着。
それをお祀りしたのがこの菅原神社なんだそうです。
道真とくれば天神、天神といえば
牛。なので牛がいます。

右の牛は女性のようですが、ソッポを向いています。
向かい側にいる左の牛クン、なんだか寂しげです。
うずくまる牛の像には諸病を治す力があるそうです。
「大宰府に流される道真を
牛が泣いて見送った」なんて話もあります。
come back! moo mooって泣いたんでしょうかねえ。
牛はともかく、
力石です。

①66×40×33㎝(130㎏) ②50×33×24㎝(101㎏)
③46×21×25㎝(80㎏)
一番大きい石を、
勝手知ったる我が庭とばかりに、
「浪速さん」が取り出します。

「えっ、まさか! これも担ぐ気ですか? 大丈夫ですか?」と聞くと、
浪速さん、
「彼は今、体が温まっていて
一番いい状態だから」という。
大江さん、難なく
担ぎました。
奥さまがしっかり撮影しています。
いいご夫婦ですねえ。
一番
応援して、一番
心配して、一番
誇らしく思っているのは奥さまです。
華奢で可愛らしい美人。なんと私と同じ静岡県出身。
やっぱ、静岡の女性は富士山の如く
日本一だよな!この日大江さんの体には、石でこすった赤いきず跡があちこちに。
昔の若者はそれが勲章で、女の子たちはそんな若者に憧れた。
祭り終え肩のすり傷誇らしく 大江誉志
赤ら顔担ぐ彼見て頬染めて 大江美咲
いいないいな!
でもこのとき大江さんはこの石が、
130㎏もあるなんて知る由もなし。
神明神社の「三木儀八石」より
8㎏も重い石だったなんて、
たぶん、このブログを読んで初めて知ることになるのかも\(^o^)/
大江さん、石を担いだままスタスタ。無事、元の場所へ石を戻しました。
「もう一ヵ所行こう」ということになって、車を連ねてひた走り。
須賀神社です。

姫路市大津区西土井
須賀神社の
力石。不敵な面構えの石ですね。

ここの石は台座に固定されていました。
ここで大江さんの本日の石担ぎは終了。
遅い
昼食となりました。
行きつけの食堂で、
「浪速さん」は次々と注文を出します。
夕べもたくさんご馳走になり、今日もまた。しかもおいしい所ばかりへ。
本日、大江さんは
力石5個を計6回も上げました。
総重量703㎏。
一つの石を代わる代わる肩に乗せたのも含めれば、
約1トン近くにもなる。
浪速さんの
「どんどん食べて」の言葉通り、どんどん食べる大江さん。
その食べっぷりを眺めながらしみじみ思いました。
「浪速さん」ご夫妻にも
大江さんご夫妻にも昨日初めてお会いしたばかり。
それが長年の知己のように一つのテーブルに座って…。
なんて
不思議なご縁なんでしょう!
おっと、さくらちゃんを忘れていました。
私とさくらちゃんは石が取り持つ
「犬縁の仲」になりました。
<つづく>
※参考文献/「播磨の力石(第2版)」高島愼助 岩田書院 2010
/「力石を詠む(八)」高島愼助 岩田書院 2015