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「あなた」がここにいた証しになれば…

力石
07 /11 2014
「下田街道」というブログがあります。
伊豆の古道を探索した記録です。
その中に「力石の記述」がありました。静岡県下田市下大沢。
川端康成が泊まったという蓮台寺温泉のずっと先の、大変な山の中です。

峠の地蔵さんを探しにやってきた「下田街道」さんは、
どんづまりのみかん畑で働いていたご夫婦に出会います。
そこで以前から気になっていた「謎の角柱」のことを尋ねます。
「ああこれかい。力石という話だよ。重さは50㌔はあるじゃないかな」

「力石」と聞いて「下田街道」さんは拍子抜けしたそうですが、私は小躍りしました。


これがその「謎の角柱」、力石です
CIMG0232 (2)

私がここを訪ねたときは、みかん畑はすでに放置されたような感じでした。

若者の集い遊びし三叉路は 力石残し原野となりぬ
                               雨宮清子

「下田街道」さんによると、この辺りは「陣屋跡」らしいとのこと。
近くに鉱山跡や石丁場があるから、番所でもあったのかもしれません。

消える古道、そこに置き去りにされた石仏や道しるべと同じ運命がこの力石にも。
いずれこれが力石であったことを知る人はいなくなり、「あなた」は自然に帰る。
せめてこうして記録に留めることで、
あなたとあなたを担いだ若者たちが、ここにいた証しになれば…。


気を取り直して、「ちょこ石」をご紹介します。
下田市5丁目のお店の前に飾られていました。


CIMG0230 (2)

ちょこ石とは「石臼」のことです。

江戸時代、「縄地金山」で使われていたもので、
二つの窪みに金鉱石を入れ、突き石で突いて砕き、金を採ったそうです。
これを村の若い衆が、力石に使っていたそうです。

この「ちょこ石」、庭石や石垣に利用されているものもあるが、
ほとんどは放置されているとか。


「可愛らしいちょこ石さん、しぶとく、しっかり生き延びてくださいね」
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雨宮清子(ちから姫)

昔の若者たちが力くらべに使った「力石(ちからいし)」の歴史・民俗調査をしています。この消えゆく文化遺産のことをぜひ、知ってください。

ーーー主な著作と入選歴

「東海道ぶらぶら旅日記ー静岡二十二宿」「お母さんの歩いた山道」
「おかあさんは今、山登りに夢中」
「静岡の力石」
週刊金曜日ルポルタージュ大賞 
新日本文学賞 浦安文学賞