後世に伝えていく責務が自分にあると…
力石の保存
「大っきいなあ!」
眼前にドーンと広がる富士山。
山頂は天を突き、左右の裾野は優美にどこまでも地平線へ伸びている。
ここは静岡県富士市神戸(ごうど)。
「富士山を神に見立てて、その神の戸口の集落なので神戸というんです」
というのは、長年放置されていた力石を自費で保存したWさん。
実直な農家のご主人です。
これが放置されていたときの力石です。

長年、道路に転がしてありましたが、通行にじゃまだということで、
今度は水神さんの境内に放り込まれてしまったそうです。
これを見たWさん、「これを後世に伝えていく責務が自分にあるのではないか」
そう思って、保存に向けて奔走。
神戸地域は、富士の溶岩で水が出ない。集落の人たちは常に水で苦労した。
そんな水不足を解消するために遠い水源地から樋で水を引き、
集落に水をもたらしたのがWさんの祖父だったという。
Wさんの「責務」という言葉には、
そんな祖父から伝わる強い郷土愛が感じられました。
立派に保存された力石とWさんです。

石の重さは167㌔。新たに刻字を施しました。
「力石」 「奉納 平成二十年九月吉日 神戸上町内」
「よその力石を見に行ったりね、何もわからないものだから苦労しました」
「説明文は学校の先生に書いてもらいました」
「雨宮さん、これでいいんだろうかね。本当にこれでよかったんだろうかね」
Wさんは私に何度もそうおっしゃるんです。
そのたびに私は胸がいっぱいになりました。
「息子がね、言ってくれたんですよ。
親父、心配するな、俺が守っていくからって」
力石の保存は大変です。ましてや、個人での保存は…。
でも富士市神戸の力石は、こうして水神さんに立派に保存されました。
そしてそれを守っていくことを、息子さんが約束してくれました。幸せな力石です。
見晴るかす富士の麓の力石 高島愼助
※先日お伝えした「両国橋・謎の石」、解明されつつあります。
お楽しみに!!
眼前にドーンと広がる富士山。
山頂は天を突き、左右の裾野は優美にどこまでも地平線へ伸びている。
ここは静岡県富士市神戸(ごうど)。
「富士山を神に見立てて、その神の戸口の集落なので神戸というんです」
というのは、長年放置されていた力石を自費で保存したWさん。
実直な農家のご主人です。
これが放置されていたときの力石です。

長年、道路に転がしてありましたが、通行にじゃまだということで、
今度は水神さんの境内に放り込まれてしまったそうです。
これを見たWさん、「これを後世に伝えていく責務が自分にあるのではないか」
そう思って、保存に向けて奔走。
神戸地域は、富士の溶岩で水が出ない。集落の人たちは常に水で苦労した。
そんな水不足を解消するために遠い水源地から樋で水を引き、
集落に水をもたらしたのがWさんの祖父だったという。
Wさんの「責務」という言葉には、
そんな祖父から伝わる強い郷土愛が感じられました。
立派に保存された力石とWさんです。

石の重さは167㌔。新たに刻字を施しました。
「力石」 「奉納 平成二十年九月吉日 神戸上町内」
「よその力石を見に行ったりね、何もわからないものだから苦労しました」
「説明文は学校の先生に書いてもらいました」
「雨宮さん、これでいいんだろうかね。本当にこれでよかったんだろうかね」
Wさんは私に何度もそうおっしゃるんです。
そのたびに私は胸がいっぱいになりました。
「息子がね、言ってくれたんですよ。
親父、心配するな、俺が守っていくからって」
力石の保存は大変です。ましてや、個人での保存は…。
でも富士市神戸の力石は、こうして水神さんに立派に保存されました。
そしてそれを守っていくことを、息子さんが約束してくれました。幸せな力石です。
見晴るかす富士の麓の力石 高島愼助
※先日お伝えした「両国橋・謎の石」、解明されつつあります。
お楽しみに!!
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