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吹上天満宮

力石
06 /29 2014
東海道本線吉原駅から岳南鉄道に乗る。
雄大な富嶽の南側を走るローカル鉄道です。

この鉄道は乗客の減少に加え、JR貨物の撤退で存続が危ぶまれていましたが、
平成25年、「岳南電車」として新たな一歩を踏み出しました。

東京の大手電鉄の払い下げ車両を2両つないだワンマン電車です。
若い運転手が真剣に電車を動かす様子を、間近に眺めつつ、
「岳南原田駅」で下車。本日の目的地、富士市今泉の吹上天満宮を目指します。

吹上天満宮です。
急坂を右へ左へ曲がり、途中の神社へ迷い込んだりしつつたどり着きました。

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力石です
灯ろうに挟まれるように、置かれていました。

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立派な碑がありました。

碑文
この石は明治のころ、町内及び近隣の若者が健康と体力増進を競い、持ち歩き、
互いの力を試した「試練の石」といわれています。

進学や技能の上達、各種免許証取得を願う人は、
この石に触れその力を授けられるよう祈願するとよいといわれるものです。
昔の人にあやかり、勉励努力の象徴として、ここにおまつりします。

                            平成六年八月吉日   吹上町内会

滅びゆくものの一瞬の美しさに浸るのも悪くはない。
でも、それでいいのだろうか。昔の人の営みを忘れ去ることは、
自分の「今」を否定することになるのではないか。
本当に、前に進むだけが「文化・文明」だろうか。

人の持つ温かさ、ゆるやかさに満ちた岳南鉄道が、
岳南電車として蘇ったように、
力石もまた、ただ路傍に捨てるのではなく、この天満宮の力石のように、
「今に生かして欲しい」と私は切実に思います。

力石と並び天下の富士を見る   雨宮清子

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雨宮清子(ちから姫)

昔の若者たちが力くらべに使った「力石(ちからいし)」の歴史・民俗調査をしています。この消えゆく文化遺産のことをぜひ、知ってください。

ーーー主な著作と入選歴

「東海道ぶらぶら旅日記ー静岡二十二宿」「お母さんの歩いた山道」
「おかあさんは今、山登りに夢中」
「静岡の力石」
週刊金曜日ルポルタージュ大賞 
新日本文学賞 浦安文学賞