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力石の再利用

力石の保存
06 /21 2014
東京には約400個の力石が、民俗文化財として保存されています。
ですが、地方の力石の多くは氏神さんや路傍、
民家の片隅に放置されたままになっています。

私はそうした力石を見つけると、石にそっと手をあててみるんです。
すると石から、昔の若者たちの熱気や歓声がジンと伝わってきます。
力石には若者たちの汗や涙、喜びや悲しみがいっぱい沁み込んでいます。

力石の中には庭石に転用されたり、歌碑に化けたりしているのもあります。

これはそうした再利用の一例です。


CIMG0070.jpg

沼津市市場町の八幡神社です。
よく見ると、社殿の前、両脇に妙な石が立っています。
これ、力石なんです。

沼津駅へ向かうバスの中から見つけました。
急いでバスを降りて神社へ駆け込みました。

右の石がこれ。
CIMG0068.jpg

左の石がこれです。

CIMG0067.jpg

神社の神官さんに電話で確認したら、

「そうです。あれは力石です。
以前は境内にただ転がしてあったんですが、
こんなふうに粗末にしているのはどうかと思いまして、
社殿前にきちんと設置しました」

捨てられなくてよかったけど、あと一歩、
「これは力石です。石を撫でて力をいただいてください」
なんていう掲示板を添えてくれていたらなあ、と思いつつ、


リサイクル狛犬になった力石
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雨宮清子(ちから姫)

昔の若者たちが力くらべに使った「力石(ちからいし)」の歴史・民俗調査をしています。この消えゆく文化遺産のことをぜひ、知ってください。

ーーー主な著作と入選歴

「東海道ぶらぶら旅日記ー静岡二十二宿」「お母さんの歩いた山道」
「おかあさんは今、山登りに夢中」
「静岡の力石」
週刊金曜日ルポルタージュ大賞 
新日本文学賞 浦安文学賞