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立派に保存された力石

力石の保存
06 /19 2014
長年放置されていた力石が、立派に保存された例です。
場所は、静岡県富士宮市内房(うつぶさ)大晦日(おおづもり)です。

深い山のてっぺんに、大きく枝を広げたカヤの木があります。
その木の下は「芝返しの辻の広場」といい、
昔の若者たちのたまり場でした。力石はそこに放置されていました。

そのときの状態がこれです。


CIMG0525.jpg

それが平成25年、こんな風に保存されました。立派でしょう。

CIMG0636.jpg

石碑も碑文も素晴らしいです。

CIMG0614 (2)

これを手掛けた石屋さんが言ってました。
「長いこと石屋をやっていましたが、力石は知りませんでした。
いい勉強をさせてもらいました」
ちなみにこれ、この石屋さんが無償で手掛け奉納したんです。

 息切らせ祭りの子らが登りゆく 大カヤの木の力石まで

大晦日と書いて「おおづもり」と読みます。
古い言い方の「おおつごもり」が訛って、「おおづもり」となったわけです。
ここは駿河から甲州への塩の道でした。
そしてここには、鎌倉時代の京都の久我大納言を祀る芭蕉天神宮があります。

その神社の総代さんがこの方です。
CIMG0612.jpg

大正5年、大正14年生まれのMさんご夫妻です。
今は限界集落となってしまったこの大晦日を、こよなく愛するお二人です。

  杖揃え力石背に並びをり 美しきかな翁と媼
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雨宮清子(ちから姫)

昔の若者たちが力くらべに使った「力石(ちからいし)」の歴史・民俗調査をしています。この消えゆく文化遺産のことをぜひ、知ってください。

ーーー主な著作と入選歴

「東海道ぶらぶら旅日記ー静岡二十二宿」「お母さんの歩いた山道」
「おかあさんは今、山登りに夢中」
「静岡の力石」
週刊金曜日ルポルタージュ大賞 
新日本文学賞 浦安文学賞