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戦争と若者と力石・田端神社

戦争と力石
06 /14 2014
東京都杉並区荻窪・田端神社の力石と一人の若者をご紹介します。
これが田端神社の境内にある力石群です。


CIMG0976.jpg

全部で11個。一番軽いもので28貫、重いもので55貫あります。

この一番重い55貫目の石を担いだのは、東京の横綱と呼ばれた
「田端の市さん」こと小林市松さん、この写真の人です。


CIMG0995.jpg

21歳の凛々しい若者です。

大正6年、小林市松青年は近衛歩兵第一連隊に入隊が決まりました。
第一次大戦のさなかです。
この入隊を記念して、神社で石担ぎ大会が開かれました。
このとき小林青年が担いだ石がこれです。立派な刻字があります。
「奉納 五十五貫目 大正六年十一月 当村 小林市松」

CIMG0981 (2)

この田端神社には、こんな絵馬も残っています。
11個の力石とともに、杉並区の有形民俗文化財になっています。

CIMG0994.jpg

今、神社の境内には石担ぎに興じた青年たちの熱気はどこにもなく、
ただそれぞれの名前を刻んだ力石だけが、静かに時代を見つめています。
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雨宮清子(ちから姫)

昔の若者たちが力くらべに使った「力石(ちからいし)」の歴史・民俗調査をしています。この消えゆく文化遺産のことをぜひ、知ってください。

ーーー主な著作と入選歴

「東海道ぶらぶら旅日記ー静岡二十二宿」「お母さんの歩いた山道」
「おかあさんは今、山登りに夢中」
「静岡の力石」
週刊金曜日ルポルタージュ大賞 
新日本文学賞 浦安文学賞