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世間ばなし③
01 /10 2024
元日の夕方息子一家が帰ってすぐ、片付けを開始。

布団カバーやタオル、毛布の洗濯、台所の洗い物や掃除、
汚れたおむつの始末などを終えると、シャワーも浴びず布団へ倒れ込んだ。

ところが真夜中、ムカムカっと。

慌てて台所へ直行。途端にぶわーっと嘔吐。
のべつ胃の不快感が襲ってくる。

吐いて吐いて、また吐いて。最後に大嘔吐。
そしたら今度はすごい下痢が始まった。

これってノロウイルスじゃないのか! 
以前勤めていたところで、胃の内容物を噴水のように吹き上げた人がいて、
ノロウイルスだと騒いでいたが、その光景が浮かんだ。

孫のために絵本を作った。「ばあば、大好き!」の声にほだされて。
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白湯ばかり飲んで少し落ち着いたら、朝になっていた。
息子たちはと心配していたが、この症状はどうやら私一人らしい。

ストレスか…。
嫁の病気とそれに伴う息子の疲労が半端でなかったから。

息子は任された大きな仕事を直前で断念せざるを得ず、
将来を半永久的に断たれた悔しさを滲ませていたし。

長期の家事・育児と嫁の世話で、心身ともに極限状態だったのだろう。

2か月前に一家全員インフル、アデノウイルスに罹患。
自分も罹患しながら家族の面倒を見ているうちに、
今度は息子だけ帯状疱疹に。

見ればまだ顔にカサブタが付いていた。

「ごはんはどうしてたの?」と聞いたら、「コンビニで」と。
腫れあがった顔で動き回っていたと、止まらない咳をしながら言った。

中年に差し掛かった息子が、赤ん坊のおむつを替え離乳食を与えている姿に、
胸が詰まった。


その痛々しさと息子の体調への心配と展望のない今後に暗澹としつつ、
私は平穏な暮らしから一変、食事や孫の世話に明け暮れていたから、
知らず知らず心労が重なったようで…。

嘔吐と下痢はそのときだけで収まったが、食欲が全くない。
毎日、水ばかり飲んでPCとにらめっこして居眠りをして…。

孫二人と嫁の世話を、たった三日間しただけでこうだから情けない。

利発だが情緒不安定気味。3歳半なのにまだおむつ。偏食も気になって。
育児放棄の母親に腹を立てつつ、どうか健やかに育ってと祈りつつ。
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6日目に無理やりうどんを食べたが、
気持ちが悪くなって半分も食べられない。

翌日の昼になったらなんだかお腹がすいてきたので、パンを食べた。
今度はすんなりお腹に収まった。

寝てばかりではいけないと思い散歩に出たら、歩き方がおかしくなっていた。
足が「ロレツが回らない」って感じで、うまく歩けない。
動かずにいたからだろう。

8日ぶりにご飯を炊いた。もち麦入りにした。
冷凍してあったシャケを焼いて食べた。味がわかっておいしく感じた。
もうムカムカしなくなっていた。

いい天気なので長めの散歩に出たら、今度はうまく歩けた。

あ、トンネルを抜けたんだと思った。

そうだ、花を飾ろうと思い立ち、小さなバラの花束を買った。

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農協市場で「ほうば餅」も買った。

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花っていいなと、しみじみ思った。ふうーっと安らいだ。

花を見ながら、ほうば餅を2個食べた。

ようやく前向きになった。

あの日別れ際に「ありがとうございました」と息子が言った。
孫に「またゼリー、作ろうね」と言ったら、べそをかいた。

去年の秋、二人の子供を連れて深刻な顔でやってきたとき、
「こんないい子たちを授かったんだもの」と言ったら、
息子はほんのり明るく頷いたっけ。

そうだよ、明るい方を向いて歩いていけばいいじゃない。

どうせ私のこの先しれたもの。
少しでも支えになりたいから、倒れるまでがんばってみるか。

        ーーーーー◇ーーーーー

石川県七尾市の能登島で「寒ブリ漁再開」のニュース。

なんだか泣けてきて…。

被災者から逆に励まされました。
食べて応援するしかできないから、ここまで届いたら絶対買います。

岸田さん、被災地に行くんなら、自前のおにぎりを背負って行ってください。
被災地で飲み食いして、
被災者の食料を減らすようなことをしてはいけませんよ。

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全員脱出! 素晴らしかった

世間ばなし③
01 /07 2024
泣けました。感動しました。

JALの全員脱出。

何度見ても奇跡としか。でも奇跡なんかじゃない。
CAが素晴らしかった。乗客が素晴らしかった。
機長・パイロットが素晴らしかった。

飛行機に乗った回数は少ないけれど、2度ほどヒヤリとしたことがある。


一度目は北海道へ向かうとき。
雲の上の青い空の中を快適に飛行中、突然、「ベルト着用」のアナウンス。

慌ててしめたとたん、機体が急降下。

なんだなんだと窓を見たら、外に別の飛行機が…。ニアミス。
機体の文字も見えたから、かなりの近さだった。

2度目は沖縄を離陸するとき。
そろそろと動き始めて、さあいよいよと思っていたら、急に止まった。

滑走路を軍用機が横切って行ったんです。

軍用機優先。ああ、これが沖縄なんだって。


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このとき思ったんです。
パイロットってすごい仕事だって。

だって離陸から着陸までの長時間、
安全運航に全神経を集中させてみんなを乗せているんですから。

そしてCAさんは今まで、空の旅の「優しい花」のように思っていたのが、
今回の素晴らしい対応で認識が一変。


この機には9人のCAさんが乗務していたという。

「言うは易し行うは難し」は世の常ですが、彼女たちはそうではなかった。

命を預かる、そういう使命を危機に直面した時、即・実行に移せるプロなんだ、
プロとはこういうものなんだ、そのことを思い知らされました。

彼女たちの冷静かつ機転がなければ成功しなかったのは確かだけれど、
でもこれは機長ほか乗務員12人全員の、
日ごろからの厚い信頼と強い結束、責任感の賜物だろうと。


政界の汚いニュースでこの国に絶望していたけれど、
久しぶりに日本人であることに誇りが持てました。

大丈夫、こういう人たちがいる限りは。


       ーーーーー◇ーーーーー

JALで安堵しましたが、やっぱり能登地震の被災地が気になって…。

で、先日、首相が「40億円出す」と、胸張って言ったけど、
非情というか、冷酷というか、
だって、あまりにも少なくて…。

大阪・関西万博にかかる費用、建築費国庫負担は1,647億円
インフラ関連9・7兆円(うち会場関連は8,390億円)、
空飛ぶ車などに3・4兆円、運営費1,160億円、国際関連72億円などなど。

そんでもって、ふと思ったんですよ。
そういえば秋篠宮邸改修・増築建設費用って、50億円だったなって。


お屋敷一つに50億円、対して能登地震の被災地に40億円

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防災

世間ばなし③
01 /04 2024
能登から次々入ってくる被害の映像にただただ驚いています。
被災地のみなさまに心よりお見舞い申し上げます。


「初笑い」のショートショートを用意していましたが、
被災者さんたちを思ったら掲載できなくなりました。

ちょっと延期して、急きょ私の防災備蓄品をご披露することにしました。

静岡へ転居してきた当初、東海大地震が来ると言われて、
学校では避難訓練を実施。
子供たちは戦時中使っていたものと同じ防災頭巾を携帯していました。
あの綿入れの…。普段は座布団に、いざとなったら頭にかぶります。

そのときから家に防災用の備蓄品を置くようになって、はや半世紀。


最初はお定まりの乾パン。
一年後に取り出したら袋の中で蛾が飛んでいました。

袋は破れていなかったから、袋詰めのとき卵が付着したとしか。

乾パンからパンの缶詰やレトルト食品になり、
今はせんべいや飴、クラッカーなど日常食べるものに切り替えました。

一番大切なものは水。


常時、2ℓのペットボトル12本、玄関に置いてあります。
逃げるとき取りやすいようにここに置いてあります。

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寝る部屋には何も置きません。
ただ近くにスリッパと懐中電灯を置いてあります。
スリッパは窓ガラスが散乱した時、ケガをしないように、です。

パジャマの代わりにトレーニングウエアを着て寝ています。
その他、簡易トイレ、山で使った簡易寝袋などなど。

でも建物が倒壊したら、逃げるだけなんですけど。

能登地震と南海トラフ大地震とは関連があると言われていますが、
南海トラフ大地震の発生予想は、
地震学者で元・京都大学学長さんなど複数の学者さんたちによると、
2038年+-5年だそうです。

ほんとにまじかに迫っています。


連動して富士山噴火も予想されていますが、この影響は静岡市よりも
県東部から関東方面に大きな被害が出るとされています。
火山灰は細かいガラス片、危険で始末に負えないものらしいです。

日本列島沈没が頭をかすめます。

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富士市

天災で幕を開けた2024年、暗い気持ちになりましたが、明日は我が身。

今度の震源域の珠洲市に原発を作ろうとしていたんですよね。
幸いにも反対運動で建設凍結。
これがもし出来ていれば、東日本の二の舞でした。

当県にも浜岡原発があります。他人ごとではありません。
ついでにいえば、大阪万博にかける莫大な税金、被災地に回してください。
というか、回すべき。

東日本大震災の時、「花が咲く」という復興支援ソングができました。
私は当時コーラスに入っていて歌うことになったのですが、
私には歌えませんでした。
歌詞も歌っている人たちも自己陶酔しているようで、いやだったんです。

日本列島が壊滅するかもしれないという大地震・大噴火が迫っているのに、
この国の政治家たちは地震後の復興シミュレーションを何も立てていないと
国内外の研究者たちから懸念されているという。

会議なら会議室でやればいいものを高級料亭で税金で飲み食いし、
海外視察なら個人で行けばいいものを税金で団体旅行する、
ニギニギばかりが上手で、官僚の書いた紙がなければ喋れない、

そういう政治家と称する人たちに言いたい。

復興支援ソングなどのおためごかしはもう効きませんよ。
災害後に防災服着て安全地帯で悲痛な顔を見せてももう遅い。

民間人の同情を煽ってお金を出させる手法は、無策な政治手法です。

まして自国そっちのけで武器を買い他国に巨額を支援して、
どこかの大統領に「いい子いい子」と褒められて悦に入っているなんて。

ついでのついでに叫びます。

議員のみなさん、神聖な会議中にいぎたなく居眠りするんじゃないよ!

能登は私の新婚旅行の地です。
その地で見た美しく懐かしい街並みと人情厚い土地柄は、
今も私の心にあります。

みなさん、負けないで!

   ーーーーー◇ーーーーー

有名無名、元迷惑なんたらなんて人たちが、
被災地に支援物資を届けただの、巨額のお金を寄付しただのって
自分の顔写真入りで公表しているけど、


匿名で黙ってやりなさい!

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「俺はリニアには乗らない」③

世間ばなし③
09 /02 2023
肝心の乗車率はどうか。

東大の研究者二人によると、
「人口減少やリモートワークなどで新しい需要は見込めないため、
リニアが黒字になれば新幹線が赤字になり、そのまた逆もある。
どちらにしてもリニアは事業収支に悪化をもたらす」そうだ。

樫田秀樹氏の「リニア新幹線が不可能な7つの理由」に、こんな記述がある。


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岩波書店 2017

『2013年、(当時の)JR東海の山田佳臣社長は、記者会見でこう公言した。
「リニアは絶対ペイしません」
リニアは黒字にならないというのだ。


加えてリニア計画に反対する市民団体が国交省との交渉で、
「ペイしない事業をなぜ認めるのか」と質問すると、国交省鉄道局職員は、
「リニアはどこまでいっても赤字です。
ただ鉄道事業は採算だけで行うものではない」と』


それなら採算の合わない鉄道をなぜ、廃線にするの?
なぁんて、突っ込みたくなるが…。

リニアは赤字になるとみんなわかっている。
なのに、山を破壊し、生態系を危機にさらし、川から水を取り上げ、
コミュニティを壊し、大量の残土で災害を誘発し、莫大な税金を投入する。


富士山についで2番目に高い南アルプス北岳山頂にて、小学生の次男と。
まだ高山への子連れ登山が皆無に近かったころで、たくさん非難された。
確かにヒヤリハットも多々あったから、無事だったことは奇跡。
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下の写真は、鳳凰三山「南御室小屋」の小屋番さんと次男
雨の中をやってきた私たちをストーブの前に座らせ、みんなが口々に
「よく頑張ったね」と声を掛けてくれるので、次男は嬉しくてたまらない。

次男は日記にこう書いた。「頭も手も雪女みたいに冷たくなってしまった。
ご主人さんがストーブを燃やしてくれた」
山男たちにはずいぶん優しくしていただいた。
みなさんの支援があってこそできた母子登山でした。


大学生になった次男が仲間たちと旅に出たとき、
車窓に広がる黄金色の稲穂に「きれいだなぁ」と言ったら、みんなから
「どこが! ただの稲なのにおかしなヤツ」と笑われたと憤慨していた。

でも私は稲の美しさ、尊さを知っている息子を誇りに思いました。
小屋番さんと次男
43年前の南御室小屋

さらに樫田氏はこう書いている。

『2010年、国交省の中央新幹線小委員会が設置され、パブリック・コメントを
募集。888件集まり、計画中止や再検討の意見が648件に対し、
推進を望む声はわずか16件だった。


だが委員長の家田仁・東京大学大学院工学研究科教授は、
「批判は答申を覆す意見ではない」として、
リニア方式で建設、ルートは南アルプスルートでという答申を出した』

偉い人の一存でゴーサインって、何のためのパブコメ募集なんだろう。

じゃあ、この事業で誰が得するの?ってことになるわけですが、
知れば知るほど不思議なプロジェクトです。


残土というのは法律上は廃棄物ではなく資源だという。
国の公共事業では残土の活用先を指定してから事業認可をするが、
民間事業ではその限りではないのだそうで、

そのためか、「リニアでは活用先を決めずに着工した」


南アルプス聖岳登頂の際見た「ライチョウ」
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JR東海では一日の乗客を10万数千人と見込んでいるそうだが、どうだろう。
観光客を見込んでも、
リニアは新幹線や在来線に乗り換えることができないし、
窓ナシだから車窓から富士山は見えない。観光には不向きだろう。

シビアな株式市場は、この計画を発表したときドーンと下がったという。


これだけの悪条件が出揃っているのに、
なぜ工事を強行するのかといえば、唯一「速さ」なんだそうだ。

「日経ビジネス」誌では、記事の表題に「陸のコンコルド」と付けたそうだが、
山本氏は自著で、
「悲惨な墜落事故を起こして破綻した超音速コンコルドになぞらえている
ところに、リニアに対する評価がおのずと透けて見える」と述べている。


ネットでは川勝知事攻撃ばかりが目立つが、
過去から現在まで各分野の多くの学者や研究者たちは、地味ながら、
著書や論文で「リニアはいらない」と声を挙げているんです。

「大井川・川越し」 「東海道名所図会」より
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また登山から離れていたとはいえ、静岡の県や市の山岳連盟も反対の
署名運動を展開していたことを、私は今ごろになって知りました。


経済の低迷、物価高、貧困、人口減少、気候変動、国のすごい赤字、
リモートワークへの流れ、
そんな中で莫大な費用をかけた長期にわたるリニアの建設。

「世界の趨勢は行き詰った重化学工業からの脱却、
都市一極集中から地方分権的・分散的システムへの移行、
大量生産・大量消費・大量廃棄の経済活動からの転換を模索。

それを決定づけたのが、世界規模で蔓延したコロナだった」と山本氏。


下の写真は、鳳凰三山縦走中の長男と次男。
地蔵岳からの帰路、
深い谷に架かった手摺りもない細い丸木の一本橋に直面。
登山者の男性が心配そうに「ぼくたち、だいじょうぶだろうか」と。

私はきっぱりと「大丈夫です」と言い、
一人で渡っていく息子たちの背中を息を止めて見守った。

「おにいちゃんを見てろよ」と長男が弟に言い、最初に渡り切った。
続いて、まだ幼い次男も前方にいる兄に向かって渡り切った。
このときばかりは、
子供たちを命の危険にさらしてしまい、なんて無謀でバカな母親かと思った。

かなりの緊張を強いられたはずなのに、二人とも何も言わなかった。
私も何も聞かなかった。

いろんな出会いがあった。

私たち母子がいかにも危なっかしかったのか、山岳レンジャーの青年二人が、
薬師岳から次の観音岳まで同行。肩車したり山の話を聞かせてくれたり…。
別れたあと、息子たちは何度も振り返っては手を振る。
お兄さんたちの「ポヨッポヨッ、ホホホホー」の不思議な声が、
背後からいつまでも聞こえていた。

鳳凰三山1

世界の趨勢は変わりつつある。
だからこそ、学者さんたちは警告しているのでは?


「エネルギーを大量に使い、速さだけを誇るリニアは、
時代遅れの無用の長物となり、
外国への技術の輸出も難しいのではないか」と。

そして、
「日本人は戦後の驚異的な復興の成功体験をいまだに引きずっている」と。


そうですよね。
原発は今後10年以内に満杯、核燃料サイクルはすでに破綻
ということですから、電力の供給も危ういのでは?


福島原発の爆発で「アトムズ・フォア・ピース」は、平和どころか、
放射能被害という破滅をもたらす怪物であることを、みんなが知ってしまった。

そして今、溜まった「処理水」の海への放出で右往左往。

原子力がもう人間のキャパシティーを超えてしまい、お手上げなんだろう。
なんだか、昔見た映画「渚にて」を思い出す。


鳳凰三山での反省もコロッと忘れ、再び息子たちを連れて南ア茶臼岳へ。
北アのようなにぎやかさはなく、小屋も素泊まり。
この日は私たち親子だけだった。
おおつりばし
大井川・畑薙ダム湖上流の畑薙おおつり橋

茶臼岳の小屋にいたワンくんたちに、熱烈歓迎されたのもこのとき。

山小屋の地面に穴だけ開いたボットン便所、板敷に雑魚寝。
息子たちはそういう不自由さをむしろ面白がった。

小屋番のおじさんとの焚火も贅沢な遊びになった。

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だからこそ、このプロジェクトは本当に必要なのかを考えるべきで、
知事がああ言ったの、前とは違うことを言ったウソつきだのって、
うるさい小姑みたいな揚げ足取りをしている場合ではないんじゃないの?


南アは年間数ミリずつ隆起しているそうで、
数ミリとはいえ、この地殻変動は恐い。

断層の破水帯から突発的に大量の湧水が噴き出す懸念もあるそうだし。

JR東日本の松田会長とJR東海の会長だった葛西敬之氏は共に、
国鉄民営化の立役者だったそうですが、その松田氏が、
「俺はリニアには乗らない」と言ったことが、
すべてを語っていると、私は思います。


南ア北岳へ行く途中のお花畑。
小屋へ着くなり次男がひどい頭痛と足の痛みを訴えた。
高山病だとみんなが心配してくれたが、私はなぜか悠然と。
というより、実はどうしていいかわからず頭の中が真っ白に。

今なら冷静になって、ヘリコプター要請と騒ぐはずなのに。
幸い大事には至らず、翌朝は小屋の御主人特製の味噌汁をいただいて、
元気に登頂。思わず「山の神さまありがとう」と。
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「潔く引き返す」という登山のルールは、リニアにもあてはまる。

でも、企業が一度決めたことから引き返すのはなかなか大変。
突き進んで失敗したら「想定外だった」という言葉も用意されている。

準・国策事業のお墨付きも得ているし。


リニア破れて 山河荒れ、日本壊れた

になるか、はたまた、

リニア走って 山河荒れるも 日本栄えた

になるかは、のちの歴史のみぞ知る。

荒地に咲くコマクサ
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このプロジェクトへの投資を、現在の鉄道の保全に使う方がいいと思うし、
日本の再生のために、
山林、農地、牧畜、漁業、そういうところへ補助金とする方がいいなぁとも。

外国では自国の食料自給率を守るために、
農民などに7割、9割の補助をしているという。
日本政府はこういうことを真剣に考えて欲しい。

だって、飢餓になっても、リニアは腹の足しにもならないんだから。


ーーー参考までにーーー

静岡県のHPの
「リニア中央新幹線」をご覧いただけたら、
真面目に取り組んでいる姿勢がわかっていただけるかと思います。

※参考文献
 「リニア中央新幹線をめぐって」山本義隆 みすず書房 2021
 「福島の原発事故をめぐって」山本義隆 みすず書房 2011
 「南アルプスにリニアはいらない」宗像 充 オフィスエム 2018
 「リニア新幹線が不可能な7つの理由」樫田秀樹 岩波書店 2017

ーーー

山本義隆氏の著書には、ものすごく多くを学ばせていただきました。
氏は「解析力学」や「磁力と重力の発見」など多数の著作と、
数々の受賞歴のある物理学者、科学史家です。


ーーー

南アのリニア問題から息子たちと歩いた南ア登山まで思い出して、
長々書き連ねてしまいました。みなさま、申し訳ない。

私が愛した南アルプスの悲鳴が聞こえるようで、いたたまれず。

でも言いたかったことを言わせていただき、すっきりしました。


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「俺はリニアには乗らない」②

世間ばなし③
08 /30 2023
大井川の水源である南アのトンネルについて、静岡新聞から拾う。

「南アのトンネルは山梨県
(富士川水系)、静岡県(大井川水系)、
長野県(天竜川水系)の3県にまたがっている。
このうち2県は橋の上を通過。
川の直下のトンネルを通るのは静岡県だけ。


静岡工区は標高が高いため、トンネル内に湧き出た水は、
山梨県と長野県へ流れ、大井川には戻らない。
それで県では大井川に戻すように求めていた」

大井川鉄道の車窓より見た大井川上流。寸又川との合流地点。
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JR東海のアセスメントでは、
工事完了後も大井川の流量は毎秒2トン減るとあるが、
「たかが2トンと言うなかれ」


「生活用水や農業用水を大井川に頼る中下流の8市2町の62万人分の
水利権量にも匹敵する膨大な量だ」と、山本義隆氏はいう。

静岡県のHPによると、
「JR東海から、工事中にトンネルから流失した水と同量を同時期に
大井川へ還元するため、田代ダムの取水制限をしたいと提案された」とある。

「田代ダム」というのはこれがまたややこしくて、

場所は静岡県にあって、大井川から取水して、
山梨県にある東京電力の発電所まで送水しているという

東京電力のためのダム湖。


ということは、このダム湖を作る前は、
ここの水は全部、大井川に流れていたってことになる。

で、JR東海は今後、その東電と話し合うとのことですが、
話し合いがうまくいったとしても、この「取水制限」はあくまでも工事中だけ。

工事完了後は「オラ、知ィーらね」になるというのだ。


CIMG4821.jpg

多くの媒体で「真っ赤なウソをつく川勝知事」などと
実名で知事批判を展開している地元新聞の元・記者の小林一哉氏は、
「大井川が渇水して水飢饉に見舞われたことはない。
なのに知事は虚構まみれの「命の水」に固執している」と主張するが、

長年、地元の記者だったという人が、
かつての「水返せ運動」を知らないはずはないのに。

「真っ赤なウソをつく」「虚構まみれ」は、どっち?
と思ってしまいました。


「水返せ運動」は1971年ごろから上流の住民たちから始まり、
ダムを造るごとに川への影響が中流域へ拡大。
1980年代後半をピークに約20年間続いた。
水返せ
「よみがえれ 大井川」静岡地理教育研究会編 古今書院 1991より

あれこそ、ダムの取水で川が干上がり、
困り果てた流域の住民たちと自治体が、
電力会社
(中部電力)を相手に起こした「命の水」の闘いだったのに。

住民と町長、議員、町役場が一体になって運動を起こしたことは珍しいことで、
この「渇水」がそれだけ切実な問題だった証拠です。


河原砂漠になった大井川で「水」の人文字をつくり、
「水があって川は、はじめて川といえる」と訴えた。
人文字
同上。写真は表紙の一部。

この住民運動で中部電力はようやく、塩郷ダムで毎秒5トンの放流を
約束したが、取材に訪れた私に地元の方が言った。

「まだまだ足りません。天竜川のような川下りのできる川に、
魚がいっぱい住める川に…。そう願っていると新聞に書いてください」


リニアでは、田代ダム湖の取水制限をずっとしなければ、
そのまだまだ足りない川の水を、さらに毎秒2トン減らされるんですよ。


こちらは最近の出来事です。
大井川下流の島田市で、国交省が行った護岸工事で水が出なくなった。
2020年工事着工。終了したのは昨年。だが水は戻らない。

損害を被った住民たちが国交省に掛け合うも、責任逃れに終始。




「今まで大井川で水枯れなんてなかった」「”命の水”発言は虚構まみれ」
「水で騒ぐ知事はおかしな人」、そう言っている人たちが、
この動画の被害者たちに寄り添って行動・発信した話は聞こえてこない。

知事攻撃の急先鋒の小林氏はこの島田市出身だそうだが、
同郷の人たちのために奔走しただろうか。

それにしてもこの小林氏は、なぜ執拗に知事を攻撃しているのだろうか。

ブログ「リニア中央新幹線…」のブログ主さんは、
発言を精査して「詭弁」と断じているが、なるほどと思いました。


大井川鉄道の日本唯一のアプト式列車
もとは水力発電所建設用の資材運搬のために施設されたトロッコ。
私が南ア登山の折に乗ったときも、簡単な屋根と吹きさらしの窓の
トロッコそのもので、背を丸めて大井川を眼下にゴットン、ガタガタ…。
CIMG4822.jpg

大井川は全長168㎞。
流域には14か所のダムと20か所の水力発電所がある。

ここを訪れた人が、
「大井川に水がないって言うけど、あるじゃないか。あんなに満々と」
というのは、ダム湖の水を見て言っているのでしょう。

発電に使った水は川に戻さず、巨大な導水管で次の発電所に送るため、
川にはわずかな水しか流れないんです。
だから常に渇水状態のため、節水制限が起きている。

中・下流域には410もの企業があるから、水の減少は死活問題です。

「2018年から19年には147日間も制限されたため、牧之原のお茶が枯れ、
企業の生産活動に影響が出た」
(静岡新聞)

江戸時代には「越すに越されぬ大井川」と謳われた川だから、
手つかずなら節水制限など起こりようがない。なのに、水で苦しめられる。


こういう県民に知事が寄り添うのは当たり前のことではないですか。

アプト式列車車内
CIMG4800.jpg

「リニア…」の著者・山本氏はこうも言う。

「南アルプスのようなプレートが押し上げられ、断層が重なった地下では、
一度岩盤に穴を開けると水は永久に抜け続けるので、
その影響は計り知れない」と。

水は低きに流れるから、
長野や山梨に流れて大井川へは永久に流れなくなる。
そうなったら、流域住民は生きていけません。だから「命の水」なんです。

水力電力に水を取られ、今またリニアに取られようとしている。
踏んだり蹴ったりではないか。

南アルプスは100万年前にできた山。
この山塊は、
100万年分の氷雪が沁み込んだ巨大な水がめです。

その大自然の貯水池に穴をあける。

そのことこそ、科学技術で自然を征服するのが進化だと思い込んでいる
「人間の驕り」「自然への冒とく」ではないかと思います。


大井川上流部の茶畑
CIMG4823_20230821195812606.jpg

あれまッ!と思うことがまだある。

2016年、当時の安倍首相が閣議決定も閣議了解もしないまま独断で、
JR東海に3兆円の融資を決めた。
(準・国策事業への格上げ)

これが「無担保で金利は0.8%という低金利で、返済は30年後から」
という破格の優遇。
この約束をしたお二人はもう鬼籍に入られてしまったが、
返済が始まる22年後の2045年には果たしてどうなることやら。


こうした大規模建設の費用は、
最終的には天文学的に膨れ上がるのは、今までの例が示しているから、
ここもそうなるかもしれません。

準・国策事業だから不足分は国民の税金で賄われますから、
リニア問題は決してよその出来事ではなく、全国的な問題なんです。

JR東日本の元・会長が言った「ヘリウム」は、リニアには欠かせないもので、
アメリカから買うしかなく、供給量も少なく高価。
消耗品だからそれをずっと買い続けなければならないそうだ。

また「大量の電力が必要」なため、
原発の再稼働や新設をするしかないともいわれている。
JR東海はリニアは「クリーン」「省エネ」と胸を張るが、そうだろうか。

化石燃料はCO2を出して地球温暖化の元凶と言うが、
「使用済み核燃料の処理では全工程で大量の石油を使う」という。

ならばその原発の電力を大量に使うリニアは、
間接的にCO2を大量に吐き出すわけで、「クリーン」というのはウソになる。

国民に「エコ袋持参」を義務付けたあの大号令は、なんだったのか。


下は30年前、私が書いた大井川鉄道の新聞記事です。
蒸気機関車の機関士さんが汗びっしょりで言った。

「蒸気をあげるまで3時間もかかるんだ。そりゃあ電車の運転の方が
うんと楽だよ。だけどSLは生き物だからね。毎日肌をあててると可愛さが増す」

蒸気機関車「C11 227」です。1975年に北海道標津線から大井川鉄道へ。
右は子供たちに大人気の「トーマス号」
孫たちもこの夏、遠方からはるばる乗りに来ました。
img20230821_20160897.jpg h_main_pc_01.jpg
 
見ているだけで童心に帰る楽しいHPです。

JR東海の会長さんも社長さんも、
お孫さんを連れてどうぞ、トーマスくんに会いに来てください!


「大井川鐵道・きかんしゃトーマス」

費用の問題ばかりではない。
強い電磁場の人体への影響や、今後必ず起きるとされている南海トラフの
巨大地震、富士山噴火も大きな不安材料だ。


(補聴器を装着している私は、電子レンジの電磁波でも影響が
でるくらいだから電磁力で走るリニアには乗ることはできない)

JR東海では、その地震の折に大活躍するのがリニアだと胸を張るが、
地震や天災の時、リニアだけが無事だという保証はどこにもない。


大井川鉄道・蒸気機関車「C11 8」の釜の火。
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山本氏はいう。
「東日本大震災に力を発揮したのは、
普段は経営のお荷物のように扱われていたローカル線だった。
ハイテクよりローテクのほうが自然災害に強かったのです」


さらに静岡県立大学の先生からはこんな話も。

「リニアが地震などで緊急停車した時、乗客は2か所の非常口まで3㎞の
斜坑を徒歩で登らなければならない。

非常口は千石で標高1330m、西俣で1530m。
南海トラフの場合、県内は来訪者や新幹線、在来線の乗客の救助で
手一杯だろうから、リニアまで手が回らない。


非常口へ辿り着いても、そこから最寄りの集落までは30~40㎞もある。
冬なら低体温で死亡の恐れもある」

=静岡県立大学特任助教授・西 恭之氏メモ。
 報告者はMAG2 NEWS・小川和久氏。

小川氏は指摘する。
「メディアはこうした人命に関わることにはいっさい触れていない」

このメモは静岡県有識者会議で配布されたものだそうです。


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雨宮清子(ちから姫)

昔の若者たちが力くらべに使った「力石(ちからいし)」の歴史・民俗調査をしています。この消えゆく文化遺産のことをぜひ、知ってください。

ーーー主な著作と入選歴

「東海道ぶらぶら旅日記ー静岡二十二宿」「お母さんの歩いた山道」
「おかあさんは今、山登りに夢中」
「静岡の力石」
週刊金曜日ルポルタージュ大賞 
新日本文学賞 浦安文学賞