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たまには毒を吐きたい

できごと➁
07 /22 2023
久しぶりにお町へ出かけたら、
駅の地下広場で「まちかどコンサート」をやっていた。

静岡駅の真ん前を国道が通っているため、 
静岡市の玄関口は少しややこしい。

反対側の繁華街へ行くときは、地下へ降りていかなければならないが、
この地下道がタコ足配線のようで、これまたややこしい。

よそから来た方が国道の向こうに見えるデパートを指して、
「あそこへ行きたいのですが…」と声を掛けてくることがよくある。


おまけに駅の出入口にある市の観光案内所はいつもドア締め切りで、
市民の私でさえ、そこが案内所であることに気づいたのはごく最近のこと。

かように気が利かないややこしい町だけれど、
ただ一つ「いいな」と思える場所がこの地下広場です。

駅の階段を降りていくと、この地下広場にぶつかる。


高校生の応援団が一列に並んで、お披露目をしていたり、
新茶の季節には茶娘が接待していたり、
大道芸の祭りのときは、いろんな芸人さんが芸を披露する。

この日はコンサートで、出演は「富士山静岡交響楽団」の
クラリネット、バイオリン、ビオラの3人。


20230627_123858.jpg
静岡駅地下広場

真ん中のお兄さんと右側のお姉さんが掛け合いで曲の説明。
左側の女性は緊張しているのか、無言で少し硬い表情。

クラリネット片手のお兄さんの話術で、聴衆が軽やかに笑う。

曲は誰もがどこかで耳にしたことがあるクラッシックの曲や、
年配者を見込んでの九ちゃんの「上を向いて歩こう」
「オーシャンゼリゼ」など全部で九曲。


市庁舎の1階広場でも定期的にコンサートが開かれている。

ちょっと用事で来たついでに立ち止まって音楽を聴けるって、
いいですよね。


聴いているうちに、
「そうだ! 久しぶりにステージでも観るか」となって、
早速、静岡音楽館AOIのチケットを購入してしまいました。



ーーー平塚市札場町・路傍の石その後

以下の記事でお伝えした「平塚市・札場町の路傍の石」のその後です。

「力石二題」

市立博物館、地元郷土史会ともに「わからない」と言われてしまった
力石に似たこの石、


水道みち2

このところのハトとの攻防戦で学んだ「ハト的執拗さ」で、
三度目の正直を期待して、地元の連合自治会を通じて、
あの石が置かれた該当自治会への連絡をお願いした。

しかしそこでも「この石の由来は把握していない」とのつれないお返事。


この石の発見者のdoushigawaさんによると、
「2011年のグーグルのストリートビューにも写っている」
というのですから、それからでもすでに12年。

なのにそこに住んでいる人は誰も知らないって、??
なんだよそれ。

そんなら、やる気を出して調査して、
捨てるなり保存するなり、はっきりしてよ!


と、ワタクシメ、思わずはしたなさ全開。

「大きなお世話だ! あんな石っころ一つのために、
よそモンからとやかく言われる筋合いはない!」

そう言い返されても仕方がないが、
なんとも中途半端なこの状況に、つい毒を吐きたくなって、
増加傾向の暴言老人になりかけたのであります。


doushigawaさん、せっかく見つけてくださったあの石、
実らずでごめんなさい。
でもいろんな方とのやりとりや平塚市を知るいい機会になりました。

今後ともよろしくお願いいたします。


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縁結びの「神さま」になった話

できごと➁
06 /07 2023
金沢大学・e教育サロンの機関誌が届きました。

この機関誌とは、
以前、力石の記事を載せていただいて以来のお付き合いです。

執筆者は名誉教授さんとか元・学長さんとか偉い方々ばかりですから、
私には難しすぎて読むのに難行苦行。
(時にはスルー)

でもそういう誌面の中に、
みなさんが歯牙にもかけない石っころの話を「堂々と」挟むのですから、
痛快と言えば痛快です。
(笑)

さて、そんな折、
久しぶりにサロン事務局から「原稿をお願いできますか?」のメールです。

テーマは
「山の思い出」

二人の息子を置いて山へ行っていたころ。
ご近所さんから「変人」「主婦のくせに」などなど面と向かって叩かれた。(笑)
img20230603_18514051.jpg

登山から離れてン十年なのでと伝えたら、「昔の話でいいですから」と。
事務局の先生の連絡はいつも深夜です。

原稿が集まらなくて困っているんだろうと思い、私は徹夜で書いて送信。
なんでもすぐやらないと気が済まないタチなもんで。

で、せっかくだから皆様にも読んでいただこうと、ここに掲載しました。


記事はずっと下の12ページ。

「縁結びの神さまになった話」です。

お手すきの折にでもお読みいただけたら幸いです。

「チョウゲンボウ87号」

 ーーー只今私はハトとの攻防戦、真っ最中ですーー

ハトの撃退法、教えてください!
集合住宅の同じ間取りの部屋が並んでいるのに、なぜかうちばかり。

網を張って、手すりにはトゲトゲ、ベランダの隙間には針金とトゲトゲ。
ですが、入るんです。素人の下手な工作だとせせら笑われています。


この前は部屋に入って、ノコノコ、キョロキョロ。
「そうかそうか。ハトにも私の人の好さがわかるんだな」
と自分を慰めたものの、毎度の落とし物と布団も干せない不自由さ。

でも傷つけたり卵を捨てたりしたら、法律違反で1年以下の懲役か
100万円以下の罰金だそうで。

熊は駆除されるが、ハトでは人間の方が駆除される! 

年に7,8回産卵し病原菌をまき散らす。
表向きは穏やかな顔で裏では凶悪なんてのが人間にもいるが、
私にはハトの野郎とダブる。

お隣さんに聞いたら、「蛇のおもちゃを吊るしたら全然、来なくなった」
でも、そんなのを吊るしたらハトより私の方が心臓を悪くします。

考えたあげく、南の国の毒蛇だぞーというつもりで、
昔登山で使っていた赤と紫と黄色のだんだら模様のザイルを、
本日、天井から手すりへ巻き付けてみました。

「ヘッ、そんな蛇、知らねぇーや」と、バカにされそうですが…。

不思議なことに、私の並びの別棟の家には全然、立ち寄らない。
見るとベランダにハーブの鉢を置いている。

そうか! 匂いに弱いのか。次亜塩素酸をまくよりいいかも!
というわけで、現時点での試行錯誤はここまで。

ハトは「夫婦」で来ます。夕方になると電線や民家の屋根に大集合。
その数30羽ほど。放棄された伝書バトかも? 

まあ、鳥小屋もどきのつつましいお家ですからねぇ。帰巣本能かも。


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カブトムシ

できごと➁
08 /05 2022
夕方、
買い物に行こうとドアを開けたら、カブトムシがひっくり返っていた。

助けなきゃ。

朝から今までずっとひっくり返っていたようで、
指につかまらせようとしたが反応が弱い。

ならばと、厚紙に乗せて室内へ。

鉄筋長屋の長い通路は、明かりに寄ってきた虫たちのたまり場。
カミキリやクワガタ、カナブン、蛾とまるで昆虫館。

しかし、カブトムシの訪問は近ごろでは珍しい。

買い物から帰るまで、とりあえず黒砂糖水を浸した布を置いて出かけた。

帰宅後覗いたら、布にしがみついている。
これなら元気になるかもと思いつつ、今度はしがみつく木の枝を探しに。

ダンボールに木の枝を渡し、そこへ誘導するも反応が鈍い。
バナナを割りばしに刺して、鼻先に置いても動かない。

2時間ほど後で見たら、なんと、バナナにしがみついていました。

20220728_175332 (2)

心なしか、埃まみれだった羽根にツヤが出ている。

翌朝、箱を覗いたら、いない!
ヤレヤレ、良かった。元気に飛んで行ってくれたと思ったら、
器の陰からゴソゴソ。

ありゃー。

すっかり元気になって歩き回っている。
もう大丈夫だ。

夕方、近くの神社へ出かけ、大イチョウの根本へ置くと、
水を得た魚のごとく、太い根っこをしっかり掴んで元気に歩きだし、
根元に溜まった落ち葉の中へゴソゴソ潜っていった。

ヤレヤレ、一件落着。

小さな本殿の屋根から、一部始終を見ていた「四方睨みの猿」
CIMG1433~1 (2)

帰り際、神社に手を合わせて「カブトムシをお守りください」と祈った。
虫のために二礼二拍手一礼したのは初めて。神さま許してね。

ところがです。

次の日、ドアを開けたら、
またもや「ダルマさんが転んだ」状態のカブトムシが…。今度のは若い雄。

またかよ!と思ったが、見て見ぬ振りは出来ない。

一晩中恋人を求めて飛び回っていたのだろう。
うしろ羽根ははみ出し、角も足も蜘蛛の糸だらけ。

からまった蜘蛛の糸を取り除いている間も抵抗なし。
ダメかもなあ。

他のバナナは私が食べちゃったので急きょスイカを与えたら、
弱々しいけどしがみついた。


20220731_095245 (2)

いけるかも、と期待したが、やっぱり力尽きた。

せめてもと思い、頭をちょっと撫でてやりました。


カブトムシくんの遺影
20220731_152344 (2)

これでおしまいと思っていたら、
3日目の早朝、またしても「ダルマさんが転んだ」が一匹。

勘弁してよ~。

今度のは大きな雄で、兜もツヤツヤで元気いっぱい。

彼らは太陽に弱いから、
コンクリートの上でひっくり返ったままにはしておけない。

というわけで、保護と相成りました。

そして3時間後、昨日、雌を放った神社へ行き、
「ヘビさん、出ないでよ」と念じつつ、同じ場所に放してやりました。


20220801_051457 (2)

ついでながら、みなさま、教えてください。

台所のガス台の壁に、オレンジ色の虫を発見。
体長は1㎝ほどと小さいけれど、触覚はやけに長くて、体の2倍弱。

こんなところにいたら火あぶりになっちゃうよと、慌ててベランダへ。
これ、神棚用の榊についてきたのかも。

小さい上に動きが早くて写すのに四苦八苦。
ピンボケですが、どなたか虫の名前、教えてください。

20220801_062343 (2)
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Welcome To Shizuoka !

できごと➁
08 /02 2022
タイからお客様がやってきました。

タイの魔女・PERNさんと日本男児のちい公さんご夫妻です。
PERNさんにとっては2年数か月ぶりの来日。

各地に旧知の方々を訪ねる旅を始めて20日余。
九州からスタートしてどん尻が静岡という壮大な二人旅です。

さて、静岡でのPERNさんの希望はただ一つ、

「富士山が見たい!」


CIMG5808 (2)

ちい公さんは、
「静岡市はどこからでも富士山が見える」と思っていたそうですが、
見えないんですよねえ、これが。

江戸の頃は、安倍川を渡りいよいよ駿府の町へ入ると、
眼前に白亜の駿府城と富士山が威風堂々と現れたそうですが…。

そこで富士山が見えるコース、
日本平・夢テラスと清水港湾内クルーズはどうかと思ったのですが、
暑さに加え、コロナ患者急増やらワクチン未接種の私への配慮で、

静岡市内で食事ということに落ち着きました。

初めてお会いするので、こんな工夫をしました。


「Welcome To Shizuoka」
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これを掲げて改札で待ち受けていたら、すぐわかってくれた。

「あ、紙が逆さだ」とPERNさん。

この日は、
以前、PERNさんが送って下さったタイの巻きスカートを巻いて…。

金糸をふんだんに使った豪華なものです。


「どこから見てもタイのおばさんだ」と言われて、タイ人になり切りました。
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まずはランチ時間まで、ホテルアソシアのロビーラウンジでお茶。

広々とした空間にクッションの利いた大きな椅子で、感染の心配なし。

そこから料亭「浮月楼(ふげつろう)」へ。

駅から徒歩5分という近さ。
それでいてそこだけ、静寂の異次元空間になっている。

ここは明治維新で江戸を追われた最後の将軍、
徳川慶喜公の屋敷だったところです。

しかし、すぐ後ろを東海道線が走ることになり、その騒音を嫌って、
慶喜公は別のところに屋敷を構えて転居してしまいます。


「東海の名園」と謳われたお庭です。
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池に突き出た薪能の舞台です。
若い美魔女と老魔女の撮影の競演。

ここの鯉はみな肥え太っていました。
手を叩いても知らん顔。さすが将軍家の鯉です。気位が高い。


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PERNさんのファッションセンスは抜群です。

私は息子二人なので、昔は玄関に赤い靴があるのを夢見ていましたが、
この日はちょっぴり叶いました。

可愛くてね、娘か孫娘を持ったようで内心、嬉しくて…。
ハグをしたかったけど、こんな時期に接触は迷惑かなと思い断念。

PERNさんは、古風なものと現代風なものを合わせ持つ魅力的な女性でした。

気配りと優しさの奥に見えるのは芯の強さ。

悲しみも苦しみもみんな慈愛に変えて自力で乗り越えてきた、
そんな潔さを感じました。


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食事は3階の「レストラン浮殿(うきどの)」

静岡の滞在はほんのわずかでしたが、お会いできて本当に良かった!

遠方からのお越しだったのに、両手いっぱいのお土産です。
ココナツのお菓子、タイのポッキーにキャンディ、ジンジャー&蜂蜜の飲み物、
足指のパウダーまで。


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極め付けは洋服と大きな手提げです。
どれもみんなPERNさんが一生懸命選んでくれたものなんですね。

さっそく着てみましたよ! 如何でしょう?

秋になったら使わせていただきますね。


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あとから気付いたのですが、PERNさんは訪問先で、
お得意のタイ料理を作ってくださる計画だったんですね。

またの機会に、我が「倒れ荘2」へ。

そうそうご夫妻は到着早々、駅のロッカー前で、
鍵の開け方がわからないおじさんやおばさんから次々頼られて、
親切に開けてあげて…。

みんな、静岡市初訪問の旅のお方にお世話になっちゃって。

申し訳ないような、でもなんだかおかしくて笑ってしまった光景でした。

PERNさん、ちい公さん、

老い先短い私ですが、無事、コロナ禍を乗り切って健康に留意しつつ、
またお会いできる日を楽しみにしております!


奇しくもPERNさんと私、同じ8月生まれ。

HAPPY BIRTHDAY TO YOU!
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雨宮清子(ちから姫)

昔の若者たちが力くらべに使った「力石(ちからいし)」の歴史・民俗調査をしています。この消えゆく文化遺産のことをぜひ、知ってください。

ーーー主な著作と入選歴

「東海道ぶらぶら旅日記ー静岡二十二宿」「お母さんの歩いた山道」
「おかあさんは今、山登りに夢中」
「静岡の力石」
週刊金曜日ルポルタージュ大賞 
新日本文学賞 浦安文学賞