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カブトムシ

できごと➁
08 /05 2022
夕方、
買い物に行こうとドアを開けたら、カブトムシがひっくり返っていた。

助けなきゃ。

朝から今までずっとひっくり返っていたようで、
指につかまらせようとしたが反応が弱い。

ならばと、厚紙に乗せて室内へ。

鉄筋長屋の長い通路は、明かりに寄ってきた虫たちのたまり場。
カミキリやクワガタ、カナブン、蛾とまるで昆虫館。

しかし、カブトムシの訪問は近ごろでは珍しい。

買い物から帰るまで、とりあえず黒砂糖水を浸した布を置いて出かけた。

帰宅後覗いたら、布にしがみついている。
これなら元気になるかもと思いつつ、今度はしがみつく木の枝を探しに。

ダンボールに木の枝を渡し、そこへ誘導するも反応が鈍い。
バナナを割りばしに刺して、鼻先に置いても動かない。

2時間ほど後で見たら、なんと、バナナにしがみついていました。

20220728_175332 (2)

心なしか、埃まみれだった羽根にツヤが出ている。

翌朝、箱を覗いたら、いない!
ヤレヤレ、良かった。元気に飛んで行ってくれたと思ったら、
器の陰からゴソゴソ。

ありゃー。

すっかり元気になって歩き回っている。
もう大丈夫だ。

夕方、近くの神社へ出かけ、大イチョウの根本へ置くと、
水を得た魚のごとく、太い根っこをしっかり掴んで元気に歩きだし、
根元に溜まった落ち葉の中へゴソゴソ潜っていった。

ヤレヤレ、一件落着。

小さな本殿の屋根から、一部始終を見ていた「四方睨みの猿」
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帰り際、神社に手を合わせて「カブトムシをお守りください」と祈った。
虫のために二礼二拍手一礼したのは初めて。神さま許してね。

ところがです。

次の日、ドアを開けたら、
またもや「ダルマさんが転んだ」状態のカブトムシが…。今度のは若い雄。

またかよ!と思ったが、見て見ぬ振りは出来ない。

一晩中恋人を求めて飛び回っていたのだろう。
うしろ羽根ははみ出し、角も足も蜘蛛の糸だらけ。

からまった蜘蛛の糸を取り除いている間も抵抗なし。
ダメかもなあ。

他のバナナは私が食べちゃったので急きょスイカを与えたら、
弱々しいけどしがみついた。


20220731_095245 (2)

いけるかも、と期待したが、やっぱり力尽きた。

せめてもと思い、頭をちょっと撫でてやりました。


カブトムシくんの遺影
20220731_152344 (2)

これでおしまいと思っていたら、
3日目の早朝、またしても「ダルマさんが転んだ」が一匹。

勘弁してよ~。

今度のは大きな雄で、兜もツヤツヤで元気いっぱい。

彼らは太陽に弱いから、
コンクリートの上でひっくり返ったままにはしておけない。

というわけで、保護と相成りました。

そして3時間後、昨日、雌を放った神社へ行き、
「ヘビさん、出ないでよ」と念じつつ、同じ場所に放してやりました。


20220801_051457 (2)

ついでながら、みなさま、教えてください。

台所のガス台の壁に、オレンジ色の虫を発見。
体長は1㎝ほどと小さいけれど、触覚はやけに長くて、体の2倍弱。

こんなところにいたら火あぶりになっちゃうよと、慌ててベランダへ。
これ、神棚用の榊についてきたのかも。

小さい上に動きが早くて写すのに四苦八苦。
ピンボケですが、どなたか虫の名前、教えてください。

20220801_062343 (2)
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Welcome To Shizuoka !

できごと➁
08 /02 2022
タイからお客様がやってきました。

タイの魔女・PERNさんと日本男児のちい公さんご夫妻です。
PERNさんにとっては2年数か月ぶりの来日。

各地に旧知の方々を訪ねる旅を始めて20日余。
九州からスタートしてどん尻が静岡という壮大な二人旅です。

さて、静岡でのPERNさんの希望はただ一つ、

「富士山が見たい!」


CIMG5808 (2)

ちい公さんは、
「静岡市はどこからでも富士山が見える」と思っていたそうですが、
見えないんですよねえ、これが。

江戸の頃は、安倍川を渡りいよいよ駿府の町へ入ると、
眼前に白亜の駿府城と富士山が威風堂々と現れたそうですが…。

そこで富士山が見えるコース、
日本平・夢テラスと清水港湾内クルーズはどうかと思ったのですが、
暑さに加え、コロナ患者急増やらワクチン未接種の私への配慮で、

静岡市内で食事ということに落ち着きました。

初めてお会いするので、こんな工夫をしました。


「Welcome To Shizuoka」
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これを掲げて改札で待ち受けていたら、すぐわかってくれた。

「あ、紙が逆さだ」とPERNさん。

この日は、
以前、PERNさんが送って下さったタイの巻きスカートを巻いて…。

金糸をふんだんに使った豪華なものです。


「どこから見てもタイのおばさんだ」と言われて、タイ人になり切りました。
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まずはランチ時間まで、ホテルアソシアのロビーラウンジでお茶。

広々とした空間にクッションの利いた大きな椅子で、感染の心配なし。

そこから料亭「浮月楼(ふげつろう)」へ。

駅から徒歩5分という近さ。
それでいてそこだけ、静寂の異次元空間になっている。

ここは明治維新で江戸を追われた最後の将軍、
徳川慶喜公の屋敷だったところです。

しかし、すぐ後ろを東海道線が走ることになり、その騒音を嫌って、
慶喜公は別のところに屋敷を構えて転居してしまいます。


「東海の名園」と謳われたお庭です。
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池に突き出た薪能の舞台です。
若い美魔女と老魔女の撮影の競演。

ここの鯉はみな肥え太っていました。
手を叩いても知らん顔。さすが将軍家の鯉です。気位が高い。


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PERNさんのファッションセンスは抜群です。

私は息子二人なので、昔は玄関に赤い靴があるのを夢見ていましたが、
この日はちょっぴり叶いました。

可愛くてね、娘か孫娘を持ったようで内心、嬉しくて…。
ハグをしたかったけど、こんな時期に接触は迷惑かなと思い断念。

PERNさんは、古風なものと現代風なものを合わせ持つ魅力的な女性でした。

気配りと優しさの奥に見えるのは芯の強さ。

悲しみも苦しみもみんな慈愛に変えて自力で乗り越えてきた、
そんな潔さを感じました。


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食事は3階の「レストラン浮殿(うきどの)」

静岡の滞在はほんのわずかでしたが、お会いできて本当に良かった!

遠方からのお越しだったのに、両手いっぱいのお土産です。
ココナツのお菓子、タイのポッキーにキャンディ、ジンジャー&蜂蜜の飲み物、
足指のパウダーまで。


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極め付けは洋服と大きな手提げです。
どれもみんなPERNさんが一生懸命選んでくれたものなんですね。

さっそく着てみましたよ! 如何でしょう?

秋になったら使わせていただきますね。


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あとから気付いたのですが、PERNさんは訪問先で、
お得意のタイ料理を作ってくださる計画だったんですね。

またの機会に、我が「倒れ荘2」へ。

そうそうご夫妻は到着早々、駅のロッカー前で、
鍵の開け方がわからないおじさんやおばさんから次々頼られて、
親切に開けてあげて…。

みんな、静岡市初訪問の旅のお方にお世話になっちゃって。

申し訳ないような、でもなんだかおかしくて笑ってしまった光景でした。

PERNさん、ちい公さん、

老い先短い私ですが、無事、コロナ禍を乗り切って健康に留意しつつ、
またお会いできる日を楽しみにしております!


奇しくもPERNさんと私、同じ8月生まれ。

HAPPY BIRTHDAY TO YOU!
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雨宮清子(ちから姫)

昔の若者たちが力くらべに使った「力石(ちからいし)」の歴史・民俗調査をしています。この消えゆく文化遺産のことをぜひ、知ってください。

ーーー主な著作と入選歴

「東海道ぶらぶら旅日記ー静岡二十二宿」「お母さんの歩いた山道」
「おかあさんは今、山登りに夢中」
「静岡の力石」
週刊金曜日ルポルタージュ大賞 
新日本文学賞 浦安文学賞