崩れ
ときどきポエム
崩れを歩いたころ
私はまだ若かった
荒涼とした岩肌を踏みしめつつ、ひたすら「無」になって歩いた
あれから長い年月が流れて
世の中がざわつき出した今、
この国の至るところで崩れが始まった
富める者たちは崩れのテッペンへ駆け登ろうとし
貧しき者たちは崩れの下に縮こまるしかなく
尾根伝いに冷気が這いのぼり、天空で風がうなる
そのうなりの中から岩たちが
ちっぽけな存在を忘れて大きく強く見せたがる権力者たちを
冷ややかに見下ろしている
ザワザワ カラカラ
足元でガレキたちが
狂い始めた人の”英知”を、こざかしさを嘲笑っている
崩れを引き起こすのは
「無」になれない驕れる人間の愚かさなのに、とでも言いたげに
ーーーーー◇ーーーーー
日本三大崩れの一つ、「大谷崩れ」を歩く昔の私です。

NHK「おかあさんの勉強室」11月号グラビア 日本放送協会 昭和60年
この時、私はこんなことを話していました。
「私たちは空気とか水とか当たり前のように使っているけれど、
山があって、川があって、それをいただいているんだということを
みんな忘れていると思うんですね。
川下に立って川上のことを考える教育がすごく欠けていると思います」
ずいぶん偉そうなことを言っていたんだと、
今になって恥ずかしい。
でも再び川下に立った時、私はこんな思いにかられました。
この国をとりまく経済不安、独走する政治、
若者が未来を描けない社会構造、価値観をお金に換算する営み、
そういうものを見、聞き、感じるにつけ、
清浄なはずの川上はすでに汚れ切ってしまったのではないか、
人々の「崩れる音」や「軋む声」がなお激しくなるのではないか、
突然の新型コロナで大揺れの中、
さらなる不安や疑心暗鬼から、人自身が崩れ始めて、
お互いを汚い言葉で罵り合う、
荒涼とした世界が広がるのではないか、と。
ーーーーー◇ーーーーー
久しぶりに週刊誌を買った。「週刊文春」
公文書改ざんを強要され悩み苦しみ、心身を病み、
自ら命を絶った近畿財務局の職員の手記を読みました。
これに関わった方々はなぜ、平然としていられるのだろうか。
まっとうに生きることは愚かなことでしょうか。
この週刊誌は捨てずに手元に置こうと思います。

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私はまだ若かった
荒涼とした岩肌を踏みしめつつ、ひたすら「無」になって歩いた
あれから長い年月が流れて
世の中がざわつき出した今、
この国の至るところで崩れが始まった
富める者たちは崩れのテッペンへ駆け登ろうとし
貧しき者たちは崩れの下に縮こまるしかなく
尾根伝いに冷気が這いのぼり、天空で風がうなる
そのうなりの中から岩たちが
ちっぽけな存在を忘れて大きく強く見せたがる権力者たちを
冷ややかに見下ろしている
ザワザワ カラカラ
足元でガレキたちが
狂い始めた人の”英知”を、こざかしさを嘲笑っている
崩れを引き起こすのは
「無」になれない驕れる人間の愚かさなのに、とでも言いたげに
ーーーーー◇ーーーーー
日本三大崩れの一つ、「大谷崩れ」を歩く昔の私です。

NHK「おかあさんの勉強室」11月号グラビア 日本放送協会 昭和60年
この時、私はこんなことを話していました。
「私たちは空気とか水とか当たり前のように使っているけれど、
山があって、川があって、それをいただいているんだということを
みんな忘れていると思うんですね。
川下に立って川上のことを考える教育がすごく欠けていると思います」
ずいぶん偉そうなことを言っていたんだと、
今になって恥ずかしい。
でも再び川下に立った時、私はこんな思いにかられました。
この国をとりまく経済不安、独走する政治、
若者が未来を描けない社会構造、価値観をお金に換算する営み、
そういうものを見、聞き、感じるにつけ、
清浄なはずの川上はすでに汚れ切ってしまったのではないか、
人々の「崩れる音」や「軋む声」がなお激しくなるのではないか、
突然の新型コロナで大揺れの中、
さらなる不安や疑心暗鬼から、人自身が崩れ始めて、
お互いを汚い言葉で罵り合う、
荒涼とした世界が広がるのではないか、と。
ーーーーー◇ーーーーー
久しぶりに週刊誌を買った。「週刊文春」
公文書改ざんを強要され悩み苦しみ、心身を病み、
自ら命を絶った近畿財務局の職員の手記を読みました。
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まっとうに生きることは愚かなことでしょうか。
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